こんにちは。サイちゃんです。
オリンピック女子ボクシング問題、番外編その1の2。
今回は、X染色体とY染色体の情報量に雲泥の差があることにより生じる困ったことのお話。
女の場合、1つのX染色体に問題があっても、もう1つのX染色体が補うので、多くの場合は問題ありません。
しかし、男の場合、Y染色体の情報量が少なすぎるため、ほとんどの情報を相方のX染色体1つに頼ることになります。
これは、女が2つの設計図から選んで利用できるのに対して、男は与えられた1つの設計図のみを使うということになります。
想像してみてくだサイ。
もちろん、その1つが問題のない上等な設計図なら問題ありませんが、
汚れていて見にくかったり、そもそも設計ミスをしていたら?
女の場合は、もう1つの設計図と見比べることができます。
間違っていても、汚れていても、もう1枚と見比べることでより良い設計図を選ぶことができます。
しかし、男の場合は1枚しかないため、それを使うしかありません。
間違った設計図を使って体を作ると、当然不具合が起こります。
この話で有名なのは、緑の色弱のお話。
ヒトの目の網膜は、赤、黄、緑の色を感じることができます。
この3つ光の組み合わせで光の色が決まります。光の三原色の話です。
ヒトが感じることができる光がこの3色だから光の三原色と言うわけですね。ちなみにシャコは12色の色を感じ取っていることが分かっています。シャコは、光の12原色となるわけですね。
さて、シャコの話は置いておくとして、この緑の光を感じ取る細胞の設計図(遺伝子)が、X染色体に入っています。
この緑を感じる細胞の設計図が間違っていると、上手く緑色を感じ取ることができなくなります。
しかし、女の場合は、その設計図が2つあるので、どちらか一方が間違っていても、もう1つの設計図が正常であれば、問題はありません。もちろん、両方共が間違っていたら、当然、上手く緑色を感じ取ることができません。でも、この可能性は、かなり限られてきます。
しかし、男の場合はどうでしょう。
仮に、1つしかない設計図が間違っていたら、その設計図で細胞を作るしかありません。
これでは、確実に上手く緑色を感じることができません。
女の場合は、色弱の遺伝子を受け継いだとしても、もう1つの遺伝子が正常ならば、色弱が表に現れる可能性は0です。
しかし、男の場合は、残念ながら引き継いでしまうと、確実に色弱が表に現れてしまいます。
このように、男よりも女の方が、遺伝子が安定していることが分かります。
もしかしたら、男の子の方が発達障害が出やすいことや、男の方が寿命が短いことにも関係しているのかもしれないですね。
もっと調べてみたら、色々興味深いことが分かるかも?
ちなみに・・・
お父さんの緑の色弱は、絶対に、息子には遺伝しません。
お父さんの緑の色弱遺伝子は、絶対に娘に遺伝しますが、表に現れる可能性はかなり低いです。
緑の色弱のお父さんの娘の息子(孫)が、緑の色弱が隔世遺伝する可能性は50%以上。
お母さんが緑色の色弱の場合、息子は確実に緑の色弱となります。娘は遺伝子は受け継ぐことになりますが、表には現れません。
お母さんとお父さんが緑の色弱の場合、子どもは性別関係なく、確実に色弱になります。