日別アーカイブ: 2021年7月5日

メロン

こんにちは。サイちゃんです。

某H中の理科の問題に、少々興味深い問題が出ていました。

一つの花の中に含まれる胚珠の数が最も多いものを、次から1つ選び記号で書きなさい。
ア メロン  イ サクラ  ウ イネ  エ アブラナ

この問題、なかなか秀逸です。
と言うのも、まず、この問題、一見、意味不明にも見えますが、実は、非常に簡単であり、そして、家庭力、理科への興味関心、知識理解を同時にはかることができる問題となっています。

まずは、この問題を読み込んでみましょう。
まず、必要な理科的知識は、「胚珠」です。
この胚珠が意味不明だと、絶対に解けません。
胚珠とは、種子のもとになるものです。
めしべの中にあります。

で、この胚珠が多い植物を選ぶことになるのですが、この問題をそのまま読み取ると、それぞれの花をイメージして、頭の中で、胚珠の数を数えなければいけません。
アブラナの花は教科書に載っているし、授業でも観察しました。
ここ2年くらい行ってないけど、サクラは、花見に行って見たよね。

あれ?イネって毎年見ているけど、どんな花が咲くの?記憶にないなぁ?
メロンの花ってどんなの?見たことないよ。
となって、パニクって終了です。

なので、この問題は、文面通りに読み取っては負けです。
ポイントは、胚珠が成長すると、種子になること。
つまり、この問題は、裏を返すと、種子、つまり、種がたくさんある植物を選べという問題であることに気が付きます。

アブラナは、授業で観察したので、置いておくとして、サクラの実は、サクランボ。
種は1つです。

イネは毎日食べているお米ですね。イネの1つの花がイメージできませんが、仮に、1つの穂全部が1つの花だったとしても、米粒の数は、多く見積もっても、数十粒と言ったところ。

一方、メロンの種は、切るとわかりますが、真ん中にある綿のようなものに種が無数にこびりついて、100とか1000とかありそうな勢いです。

と言うことで、メロンがが答え。

この問題、非常に簡単なんですが、順当に解くには、かなりステップを踏んで答えなければけません。良い問題です。

そして、もう1つ。
メロンを台所で切るところを見たことがあるのか?と言うことです。
なかなか、中学生になって、一緒に台所に立つことはないと思います。
小学生のうちに、色々な食材を見せておくことが、大事です。
もっと言えば、小学生のうちに、なんでも一緒にやってみて、経験しておくことが大事です。
そして、そのことが印象に残っていることが大切です。経験しても、記憶になければ意味がないですから。だから、理科に関する興味関心もはかることができてしまうというわけです。

と言うことで、キッチンでの出来事が、テストの点を左右するというお話でした。
今からでも遅くはありません。身の回りのことを注意深く観察する癖をつけてくだサイ。

ただ、メロンは、今となってはそうでもありませんが、それでも高級品です。
給食で年に何回か出てくるので、食べたことない中学生はいないと思いますが、どの家庭でもで購入して切って食べるということが行われるのかと言うと、ちょっと疑問が出ます。経済格差が点に直接的に結びつくというのは、避けたいところです。
メロンではなく、カボチャくらいにしておいた方が、無難だったのではないかと思います。

それからもう1つ。
親が子どもに、どんな経験をさせたかということも点に直結します。
この経験と言うのは、バレー教室に通ったとか、プログラミング教室に通ったとか、そんなものではなく、もっと身近な日常的なもの。
問題作成者も、特別な体験は求めていません。それよりももっと、身近で日常的なものを求めています。
なので、道を歩いていたら、菜の花を見つけた。カボチャを切ったら、中から種が出てきた。
そんな日常に注目するように導くのが、大人の役割なのだと思います。