第87回 R5年度愛媛県立入試(数学)

今回も、先日行われた県立入試を例年の出題傾向とも比べながら、
考えてみたいと思います。

問題と解答の速報は、こちら 理科はこちら

大問ごとに、難易度と傾向について、見ていきます。
数学は、理科と違ってワンパターンなのですが、去年と同様に大問(三)に変化がみられました。
詳しくは、後ほど。

大問(一)

計算問題。標準問題です。普通に勉強していれば、問題なかったかと。
今年も5問になっています。

大問(二)

この問題は、小問集合なので、1問ずつ見ていきます。

1は、因数分解
例年ここは、因数分解か、二次方程式です。
今年も、例年通り。
ちょっと難易度高いかな?

2は、まさかの等式変形からの出題です。
こんなの出るんだ。へぇ〜みたいな問題。
難易度は普通です。教科書レベル。
大問二の2は、簡単な問題で点を取らすというので定着させるんでしょうか?。

3は、数の基本の問題。
各学年で習った知識をもとに、正しいものを選ぶ問題。
普通に勉強していれば、普通に解ける定期テストレベルの問題。
4択なので、何も考えなくても、25%の確率で当たります。

4 は確率の問題。
基本問題。教科書レベル。定期テスト頻出問題と言ってもいいかな?
まぁ、余裕です。

5は、空間図形の相似からの出題です。
単元別テストに出そうな問題。
つまり、簡単。
ただ、解答が分数で出るのに、整数で答えなければならないので、そこで、ノックアウトされる?
いやぁ、大丈夫でしょう。普通に勉強している人は、余裕です。

6は、作図
ちょっと難しい。3年の冬服になってから勉強する円の性質を利用した作図。
3年のワークを真剣に解いている人は解けたと思いますが、
受験対策に追われて、疎かにした人は、足元すくわれたかも?

7は、文章題
まさかの2次方程式からの出題。
しかも、問題は、「方程式をつくり」となっているので、
変に正直な人は、1次方程式を作ろうとして、パニクったかも。
内容は、古風な教科書レベルの問題。比較的簡単です。
連立方程式対策ばかりに気を取られていた人は、残念な結果につながったかも?

大問(三)

過去は、規則性の問題が出てきていた大問ですが、近年、規則性ではない問題が続いています。
規則性の問題は出ないと言い続けています。もう、出ないでしょうね。

そして、ついに、関係のない2問構成になってしまいました。
しかも、内容は、既視感のある標準レベルの問題。
どうしたことでしょう。見ていきます。

前半は、ヒストグラムと箱ひげ図を関連付けた問題。
これは、面白いと思いましたが、新しさはありません。
箱ひげ図が教科書に初登場した去年出していれば面白かったでしょうが、
今更こんな問題出されても、新しさはありません。
難問というほどの問題ではありません。普通に太刀打ちできるでしょう。

後半戦は、実力テストや定期テストで、何度も見てきた、速さと関数の問題。
もともと、点が出にくい問題なので、正答率は低いかもしれませんが、
今まで、普通に勉強してきた人にとっては、簡単だったでしょう。

大問(四)

お約束の放物線と直線が交わる問題。
1,2の問題が、例年に比べると若干レベルが高い気がしますが、
それでも、基礎問題に分類して良いと思います。

3は例年通りのちょっと難し目の問題です。
ですが、愛教研の実力テストに類題が出ていたので、
学校から出された実力テストをしっかり復習していれば、何とかなったのではないかと思います。
そんなには、難しくないです。

大問(五)

例外なく今年も図形の問題です。

予定通り、証明は合同です。
ただ、ちょっと難易度高いのではないかと。
仮定だけでも書いて、部分点狙いが吉だったかもしれません。

ここまで簡単だった分、最後に調整してきた感じでしょうか?
2も、解法が見えれば、そんなでも無いですが、時間内にそこにたどり着けたかどうか…
見えなければ、見えない。そんな感じの問題でした。
難易度は、難しいだと思います。

総括

全体的な難易度は、「易しい」です。

前半戦が簡単なので、取れるところでしっかり取れたかが勝負の分かれ目になるのかも。

問題構成は、原点回帰と言えば聞こえがいいかもしれませんが、
古風な化石みたいな既視感のある問題ばかり。
こんな問題で入試して、新センター試験を乗り越えられる人材を育てられるのか、甚だ疑問です。

理科が、見えない誰かの顔を伺いながらも、果敢にも新センター試験に寄せようとしているのに対し、
数学は、ちょっと残念な感じがします。元に戻った感じです。

理科のような、とにかく読ませるという去年あった問題も消えました。
従来通りの、必要最小限の情報で、問題を解いていくという問題ばかりです。
文章に、トラップもひねりもありません。

愛媛県は、「1歩進んで、2歩さがる」を繰り返しています。

ただ、変化もあって、その結果、大門(三)は、完全に迷走しています。

大門(三)が関係ない小門2問構成になったことにより、
問題全体を見てみると、大門5問構成に拘る必要が全くありません。
理科にも言えますが、内容によって、大門の構成を変えれば良いと思います。ですが、なぜかしません。

見えない誰かの顔色を伺っているとしか思えません。

全国的に見れば、新大学入試を見据えた問題が増えてきいますが、愛媛県では、動きが鈍すぎるのが現状です。

警戒はすべきですが、対策の必要は全くないという印象です。
県教委が子どもたちをどこに導きたいのか、イマイチ、理解できない現状です。

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