今年も、県立入試の総括をしていきたいと思います。
今回も、理科について、以前書いた出題予想をもとに考えてみたいと思います。
問題と解答の速報は、こちら
分野ごとに、第85回で書いた予想を振り返り、出題内容を確認します。
青字が外れ、赤字が正解。
過去の出題傾向は、こちら→数学・理科
物理分野
今年は、1年生の単元からは、音が要注意です。可能性大。
ただし、音は問題が作りにくいので、小門か、大門の中に出ても、軽くの可能性大です。
本当は、音は、活用形の問題が作りやすいので、最近はやりの面白い問題が作れると思うのですが、
おそらく、そんなのを出す度量は愛媛県にはないでしょう。
と言うことは、他の単元も復習しておいた方が吉。
力の問題は、今年は休みだと思いますが、3年の力の問題で、困らない程度の軽めの復習を。
3年生の単元からは、力学的エネルギーが出そうです。
出ないとは思いますが、ついでに、エネルギーの保存の復習も。
根拠は示せませんが、なんとなく、軽めの出題になる気がします。
今年も、2年生の電気は予想が難しいです。ここ数年で、問題が出尽くした印象です。
まず、陰極線、ワットは、去年出ているので、可能性は低いかと。特に、陰極線は、まず出ないでしょう。
オームの法則は、中学生のたしなみとして、おさえておくことを前提として、
臭いのは、磁界関係の問題です。
フレミングは要復習。モーターの原理等も来るかもです。
意外と、静電気が来るかもしれませんが、心に留めておく程度で良いかと。
なので、磁界を中心に、オームの法則、ワットの復習をしておくことをお勧めします。
ただ、今まで3年生の内容だった放射線が、今年から2年生で勉強するようになりました。
今まで出たことないですが、2年生になったことによって、出題されるようになるかも?
大した内容ではないので、復習しておいた方が良いかもしれません。
ただ、回りとしては、電気が小門に回る年です。
どの単元が出ても、深くは聞いてこないと考えられます。
そう考えると、逆に放射線は臭いかもしれません。
1番から、予想通り、「磁界来たね!フレミング来たね!」と思ったら、
よく読むと、ただのオームの法則の問題という展開。
いきなり、調子を崩される感じでスタートする今年の入試。
物理分野の予想は、まぁ、なんとなく正解?的な雰囲気。
大問1問目は、磁界と思わせておいて、
ただのオームの法則の基本問題。
簡単です。
続いて、電磁誘導。広い意味では、磁界の問題。
交流の話なども織り交ぜつつ、問題としては、時流に乗っている気がする問題で、良問なのでは?
ただ、難易度は、驚きの簡単さ。
大問2は、光学台の問題。
今年は、音かな?と思って、警戒していなかったです。
なかなか予想は上手くいきませんが、これも、難易度は、中〜下くらい。
普通に復習していれば出来たのではないでしょうか?
ちょっとだけ、癖を感じる問題ではありますが。
小問は、斜面を上る運動。
力学的エネルギー出るかも?と思っていましたが、
その手前で問題が終了してしまった感じです。
難易度は、教科書レベル。簡単です。
全体的な難易度は、非常に簡単ではないかと思います。
ただ、何を聞かれているのかの判断が難しいと感じた人はいるかも。
普通のよく出る問題とは、問題の構成が違っているので、よく読んで、判断できたかが難易度を左右したかもしれません。
理科としての能力よりも、読み取る力で点が左右したかもしれません。
教科としては、普通に勉強していれば、余裕だったと思います。
化学分野
H29年から、2年生の化学分野が大問で出続けています。
そろそろ回りとしては、2年生の化学変化と原子・分子が小問に回ると考えたいところですが、今年も大問かもしれません。
となると、3年のイオンが、小門に回ると考えられます。
昨年・一昨年で、酸化・還元が出題されているので、復習は軽めで良いです。
となると、熱分解・電気分解あたりが来るのかな?と。
過去の出題を見ると、酸化銀や塩化銅、塩酸など、ちょっと変化球の分解も要注意かも。
電気分解は、3年のイオンとの絡みも要復習です。
あと、可能性は低そうですが、ちょっと臭うのは、化学変化と熱の単元。小問に回るとすると、このあたりも要注意。
これも、3年の物理分野のエネルギーに絡められるので、面白い問題が作れそうですが、愛媛県は、そこには踏み込まないでしょう。
去年、ダニエル電池と、イオンのなりやすさが出題されたので、今年は、イオンは軽く置きに来ると思います。
イオンの基本や、中和あたりを軽く復習しておきましょう。
可能性は高くないと思いますが、水溶液に電流を流す実験は、復習しておいた方が良いかも。
2年生、3年生の内容が軽いということは、メインディッシュは、1年生の内容ということになります。
近年の流れから予測すると、水溶液、有機物・無機物、金属・非金属、密度が要注意なような気がします。
溶解度が出なければ、難易度としては、比較的簡単なものになりそうなので、点を取りたいところです。
いずれにしても、化学反応式、イオン式が書けることは必須です。
しっかり復習しておきましょう。
なんとなく、予想はあっているかな?という感じ。
とりあえず、予想通り、酸化・還元は出ず、塩化銅、塩酸の電気分解が出題。
ただ、ガッツリ3年でしたけどね…
内容は、非常に簡単な部類。
ただし、変化球的内容だったので、警戒してなければ、戸惑ったかも。
それでも、簡単な部類に入るでしょう。
メインディッシュは、溶解度の問題。
トラップがあちらこちらに仕掛けられてはいますが、難易度は簡単です。
トラップに引っ掛からなければ、簡単な問題に当てはまります。
この問題も、読み取れたかどうかですね。
例えば、濃度の問題で、水25gと問題には与えられているのだけれども、これは、トラップです。
飽和していることが、問題中から読み取れるので、溶解度の表だけで濃度を求めることができます。
まぁ、次の問題で、25gが重要になってくるので、考えておいた方が良いのかもしれませんが。
小門は、質量保存の基本のきの問題。
教科書レベルですね。簡単です。
ただ、文章が長いので、何を聞かれているか、きちんと理解できなければ、お話になりません。
教科としては、特に問題のない、基礎レベルの問題でした。
生物分野
3年の内容としては、花粉管や発生、玉ねぎの根あたりが臭そうです。
花粉管の実験、オタマジャクシの発生は、要復習。
要は、教科書の前半部分をしっかり復習。
遺伝の問題は、出題の可能性は低いです。
ただ、今年から3年生に移った進化は、今年あたり出るかも?な回りなので、復習しておいた方が良いかも。
回りとしては、食物連鎖は出題されません。
2年生の内容は、動物と植物を分けて考えてみます。
動物からは、呼吸・排出が要注意。
この辺の復習をするなら、可能性は低いと思いますが、循環の復習も一緒にしておきましょう。
植物からは、去年、維管束が出ているので、蒸散や光合成・呼吸あたりが臭そうです。
あと、細胞のつくりも気になるので、要チェック!
1年生の内容も、予想が難しいです。
去年、今の教科書の流れでいうと、1年生の生物からは出題されませんでした。
移行期間ということもあり、混乱したのか、それとも、この流れで行くのか、注目です。
というのも、去年も書きましたが、過去の傾向から、分類の問題はあまり積極的には出題されていません。
となると、何が出る?って話になってしまいます。
置きにくるなら、小門で、双眼実態顕微鏡の使い方というのは、あります。
ちょうど、1年生が小門に回る年です。
1年生の内容なので、難しくないので、軽くでいいので、全体的に復習しておいた方が良さそうです。
1年、2年ともに言えることですが、現行の教科書では、植物と動物を同じ単元で扱うようになりました。
と言うことは、植物と動物の比較をするような問題をつくりやすくなったということです。
去年出なかったので、そういう問題も警戒しておいた方が良さそうです。
あまり外したつもりはないのですが、こう見ると青字ばかり。
やはり、1〜2年の予想は難しかったようです。
生物分野で、ちょっと気になるのは、恒温動物の話。
これは、今の教科書では、発展扱いになっていますが、出してきたというのは、どういうことか。
今年の受験生は、1年生の時は、古い教科書を使っていたので、その辺りの混乱か、
それとも、発展も出していきますよという意思表示なのか、判断がつきません。
でも、ハッキリしたのは、分類の問題も出して、各学年から1問は出すというスタンスは変わっていないこと。
そして、動物の問題ばかりで、植物が出ないというパターンもあるということ。
つまり、来年は、植物の問題ばかりになるかもねってことです。
3年からは、生殖の基本。
教科書の前半ということは、当たりました。
生物も、恒温動物が気にはなりますが、それ以外は、超簡単な教科書レベルの問題です。ひねりもなかったです。
地学分野
1年生の単元からは、地震だと思います。地震の単元はしっかり復習しておきましょう。
復習の優先順位としては、次いで地層、そして、火山です。
地震が出るとなると、面白い問題を作ることができるので、メインディッシュになる可能性も高いです。
火山・地層に関しては、軽めに復習しておきましょう。
2年生の天気は、おそらく、小門に回ります。
軽くになるのではないかと思います。
軽くくるとなると、気象観測系(湿度・気温・気圧・天気・風向風力)などは要注意。
他に、優先して復習しておきたいのは、天気図、台風なんかもあやしそうです。
3年の天体からは、今年あった月食や日食は、気にしておいた方が良さそうです。
まぁ、愛媛県は、こういったタイムリーな話題は避けてくる傾向があるので、気にする程度で良いかな?
ただ、回り的には、日食・月食は、臭います。
意外と気にしておいた方が良いと思うのは、太陽系とその外側。
出ないと思いますが、ちょっと、気になります。
となると、結局、去年外した日周運動あたりが要注意かな?
星が何時間後に、どこに動いているかという問題なんか出そうです。
となると、年周運動との抱き合わせも出題できるので、そちらも要注意。
太陽は、でるかな?たぶん、出ません。今年も、コロナを答えさせることはないと思います。
予想通りに地震からのスタート。
緊急地震速報や気象庁の地震情報を絡めた、今風の問題。
塾生(2年生)からは、ニュース見てないと、厳しくない?との意見も出ましたが、
教科としては、一部変化球はあるものの、まぁ、教科書〜定期テストレベルかな?と。
まぁ、そう思うなら、ニュース見なさいと。
天体からは、太陽の動きと季節に関する問題。
ちょっと変化球気味のところはありますが、まぁ、定期テストレベルです。簡単。
小門は、気圧の問題。
内容は、基本問題なんだけれども、気圧の単元移動を生かしたあまり見ない展開の問題構成。それは、面白いと思います。
ですが、内容は、定期テストレベルです。
ただ、こういう問題解けない人多いんですよ…
地学分野も、全体的には、簡単です。
総合所見
去年も、例年にないくらい、簡単な問題ばかりとコメントしていますが、
今年も、驚きの簡単さでした。
理科の知識としての難問はありません。
ただ、愛媛県としては珍しく、全体的に、時流に乗った、挑戦的な面白い問題が目立った印象です。
でも、そこはやはり愛媛県。挑戦しながらも、現状維持を貫いている感じがします。
そのへんてこなアンバランスさが、また面白い感じがします。
とにかく、全体的に、無駄に問題文が長いです。それでいて、量の割に問題数が少ないので、点にならない。
去年同様、やっかいです。
そして、例年より、図が小さくなった印象です。
問題の面積は決まっているので、文字を増やすには、図を小さくするしかないということではないかと推し量ります。
結局、様々な制約の中で、限界まで頑張ってみました!って印象です。
問題製作者の気苦労が見え隠れしている気がします。
保守王国愛媛県の未来はいかに。
そして、去年同様、「読ませる」は健在ですが、「考えさせる」は完全にどこかへ行きました。 class="spNone"
結局は、問題文をきちんと読めているかで、勝負が決まりそうです。
この傾向が続くなら、教科の勉強よりも、読むことのトレーニングをした方が、得点はしやすそうです。
それは、新センター試験にも通ずるところがあるので、そいういう傾向になっていくのでしょうか?
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