第72回 H31年度愛媛県立入試(数学)

今回は、先日行われた県立入試を例年の出題傾向とも比べながら、
考えてみたいと思います。

問題と解答の速報は、こちら 理科はこちら

大問ごとに、難易度と傾向について、見ていきます。
数学は、理科と違ってワンパターンなので、特筆することは少ないと思います。

大問(一)

計算問題。標準問題です。普通に勉強していれば、問題なかったかと。。

大問(二)

この問題は、小問集合なので、1問ずつ見ていきます。

まず、1の計算問題は、二次方程式
教科書では、利用に分類される問題。
特に問題はないでしょうが、きちんと勉強していなければ、きびしい問題です。
難易度は高めです。

2は確率の問題。
難易度は、普通
この問題が、サイコロを2回振るのと同じ問題であることに気がつけば、
超簡単な問題ですが、気がつかなければ、少々苦労したかも。
よく考えれば、特に問題は、無かったと思います。

3は、信じられないことに、標本調査の問題。
過去数十年、一度も出たことが無い問題です。
なぜ解禁してきたのか謎です。
しかし、それだけあって、超基本問題です。
ちゃんと授業を聴いていた人は、できたでしょう。

4は、立体に、ひもをかける問題。
よく出る問題です。難易度は普通
普通に、勉強していれば、できるはず。

5は、回転移動の回転の中心を作図する問題。
作図自身は、垂直二等分線を描くだけですが、そのことに気がつくかどうか。
よく見る問題だし、数年前に1年生の単元別テストに出ていたので、
その程度の問題です。できたかな?

6は、文章題。例年通りです。
中学生が嫌う、割合の問題でかつ、関数要素の絡んでくる問題です。
よく読んで、しっかり考えたら、特に問題はないでしょうが、
かなり、苦労したのではないでしょうか。
苦労する理由は、上述の中学生が嫌う内容であること、関数要素を含んでいること。
それに加え、文章が長いです。長すぎです。
近年、文章が長くなっている傾向があるにせよ、
この長さは、確実に、ここ10年ほどでトップクラス。読むだけで、あきらめた人も多いことでしょう。
難易度は、標準ですが、正答率は低いでしょう。

大問(三)

いつもは、規則性の問題が出てくるのですが、今年は、なんとも分類しがたい問題です。
何に分類されるのでしょうか?

ただ、謎の問題だけあって、問題自体は、容易な問題です。
1ができないのは、よっぽどです。簡単です。

2も、1の要領で、よく考えれば、何とかなるでしょう。
ただ、時間がそれを許すのかが問題になってきます。

3の(1)も、実際に書いてみれば、容易に気がつくはずです。
しかし、(2)は、難しいです。おそらく、市内でも正答者は数えられる人数でしょう。
そもそも、答えをいくつ見つければよいかすらわかりません。
答えを見つけることは、容易ですが、それで終わって良いかの判断ができません。
となると、捨てて、他の問題で点を取った方が賢明です。
1〜3(1)の難易度は、簡単標準、3(2)は、「満点を取らせない問題」でしょう。

大問(四)

例年通り関数の問題。
1、2は、基本中の基本問題。なめられています。でも、これができないのが関数。
3は、難易度の高い問題の中では、お約束の問題。
しっかり勉強していれば、太刀打ちできるはずですが、問題は、時間が許すか…
特に、最後の問題は、気がつけば、パッと解ける問題ですが、気がつかなければ、そのまま時間切れです。

1、2の難易度は、「簡単」、3は、「難しい」でしょう。

大問(五)

おなじみの図形の問題です。証明合同。予定通りです。
証明は、難易度中のよくある問題です。入試問題としては、簡単です。

2、3のラスト2問。
こちらも、ビックリするような問題ではなく、しっかり勉強していれば、なんとかなる問題です。
補助線も必要ありません。
こういう問題は、小学校から、何回も解いてきています。
図形が得意な人は、意外と簡単に解けたかもしれません。
計算も、工夫すれば、そんなに難しくありません。
難易度は、「難しい」でしょうか?

総括

全体的な難易度は、「難しい」でしょうか?
ただ、どの問題も、解けないことはなく、どうにもならない問題はありません。
また、比較的簡単な問題も多いため、悲惨な結果になることもないでしょう。

入試問題としては、解きごたえのある、良い問題だと思います。

ただ、理科と同じで、しっかり読ませようとしている問題や、
実験的な問題が散見されます。

社会の問題でも、記述問題が増えており、英語の問題には、グラフが登場しています。

今まで通りと見せかけておいて、実は、細かいところで、
新大学入試を見据えた、実験的な問題構成になっていると考えるのが妥当かと思います。

どう変わっていくのか、今後の動向をしっかりと観察する必要があります。

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