第2回は、評定について。
調査書には、学習の記録という形で、評定がかかれます。
今回は、この評定がどのようにして、出るのかを解説します。
評定、つまり評価の仕方に関しては、いくつか方法があるんですが、
その方法は、インターネットで検索してみると、見ることができます。
愛媛県の場合は、県の義務教育科のHPなどから見ることができます。
成績の出し方
さて、みんな気になる評定(成績)の出し方です。
その前に、調査書や通知表を見ればわかるんですが、
成績には、観点別評価と評定の2種類あります。
観点別評価は、通知表に書かれているAとかBとかCとかです。
小さい字で、普通、左側に書かれています。
評定とは、1〜5の数字で書かれています。
大きめの字で、普通、右側に書かれています。
成績は、この2つから、成り立っています。
調査書には、この2つを記入することになります。
それでは、評定の算出方法ですが、県のHPには、大きく2つの方法が紹介されています。
それぞれ、簡単に見ていきましょう。
この方法は、さらに、大きく2つに分けることができます。
1つは、観点別評価のA、B、Cの組み合わせパターンで、評定が決まる方法。
まとめると、次の表のようになります。
評定 |
組み合わせ |
観点別評価の平均 |
5 |
AAAA |
2.7以上 |
4 |
AAAB、AAAC、AABB |
2.5〜2.7未満 |
3 |
AABC、AACC、ABBB
ABBC、ABCC、BBBB
BBBC |
1.5〜2.5未満 |
2 |
ACCC、BBCC、BCCC |
1.1〜1.5未満 |
1 |
CCCC |
1.1未満 |
※組み合わせなので、どの観点がどうなのかということは関係ありません。
※国語だけは、観点が5つあるので、この表にはあてはまりません。
|
もう1つは、観点別評価のA、B、Cをそれぞれ3、2、1と数字に置き換えて、
その数字の平均値を計算する方法。
しかし、この2つ、実は、ほとんど同じ算出方法なんです。
AAAAは、(3+3+3+3)÷4=3となります。
以下、同じように計算していくと、以下のようになります。
組み合わせで
算出する評定 |
観点別評価の
組み合わせ |
観点別評価の
数値化の式 |
平均点 |
平均で算出
する評定 |
5 |
AAAA |
(3+3+3+3)÷4= |
3 |
5 |
4 |
AAAB |
(3+3+3+2)÷4= |
2.75 |
5 |
AAAC |
(3+3+3+1)÷4= |
2.5 |
4 |
AABB |
(3+3+2+2)÷4= |
2.5 |
4 |
3 |
AABC |
(3+3+2+1)÷4= |
2.25 |
3 |
AACC |
(3+3+1+1)÷4= |
2 |
3 |
ABBB |
(3+2+2+2)÷4= |
2.25 |
3 |
ABBC |
(3+2+2+1)÷4= |
2 |
3 |
ABCC |
(3+2+1+1)÷4= |
1.75 |
3 |
BBBB |
(2+2+2+2)÷4= |
2 |
3 |
BBBC |
(2+2+2+1)÷4= |
1.75 |
3 |
2 |
ACCC |
(3+1+1+1)÷4= |
1.5 |
3? |
BBCC |
(2+2+1+1)÷4= |
1.5 |
3? |
BCCC |
(2+1+1+1)÷4= |
1.25 |
2 |
1 |
CCCC |
(1+1+1+1)÷4= |
1 |
1 |
見たらわかるんですが、ほとんど変わらないし、平均で計算しても、
もともとの組み合わせが15パターンしかないので、
結局、組み合わせによって、評定が決まることになります。
組み合わせが若干異なるだけ。
それと、平均で計算した場合、2になる組み合わせが少なすぎるので、
この資料は、間違っていると思われます。
?マークをつけたところは、間違っているんじゃないかと思います。
きっと、評定2の範囲は、1.3〜1.6だと思います。
誰か、愛媛県の義務教育科に問い合わせをしてみてください。
その結果を教えていただければ、ありがたいです。
メールは、こちら→ |
(2)全体の達成度から、評定を計算する。
この方法は、観点別評価のA、B、Cについては気にせず、
全体で、どのくらいの点を取っているかで、評定を算出します。
まとめると、次の表のようになります。
評定 |
達成度(得点率) |
5 |
92%以上 |
4 |
83%以上92%未満 |
3 |
50%以上83%未満 |
2 |
35%以上50%未満 |
1 |
35%未満 |
達成度とは、目標の何%まで、習得したかということを表します。
簡単に言うと、満点に対して、何%得点したかということです。
さて、同じAでも、限りなくBに近いAと、文句なしのAと・・・
Aによっても、違ったAになります。
例えば、タロウ君とハナコさんの観点別評価が同じAAABだったとします。
この時、タロウ君のAは、全て、限りなくBに近いAだったとします。残りのBも限りなくCに近いBでした。
一方で、ハナコさんのAは、文句なしのA、Bも限りなくAに近いBでした。
|
|
C |
B |
A |
タロウ君 |
観点1 |
|
|
|
観点2 |
|
|
|
観点3 |
|
|
|
観点4 |
|
|
|
ハナコさん |
観点1 |
|
|
|
観点2 |
|
|
|
観点3 |
|
|
|
観点4 |
|
|
|
タロウ君とハナコさんの観点別評価のイメージ
この2人の成績は、どちらが良いかというと、文句なしで、ハナコさんです。
しかし、(1)の方法で評定を算出すると、2人とも、4になります。同じですね。
ところが、(2)の方法で、評定を算出すると、全ての観点別評価の平均をとりますので、
ハナコさんの観点別評価の平均は、Aになり、タロウ君の観点別評価の平均は、Bになってしまいます。
こうすることによって、ハナコさんと、タロウ君の評定に差をつけることができます。
|
C |
B |
A |
タロウ君の観点別評価の平均 |
|
|
|
ハナコさんの観点別評価の平均 |
|
|
|
上図の場合のタロウ君とハナコさんの観点別評価の平均のイメージ
きっと、ハナコさんの評定は5、タロウ君の評定は4、場合によっては3でしょう。
まとめ
さて、どの評価方法を採用するかは、学校、下手すると、教員ごとに違います。
A組とB組の担当教員が違う場合は、A組とB組の評価方法に差がある場合もあるでしょう。
しかし、いずれの評価方法をとるにせよ、観点別の評価を上げることが、
評定、つまりは、調査書点をあげるコツです。
いずれの方法をとるにせよ、学校には、評定の根拠を説明する責任がるので、
少しでも疑問に思うところがあるとき、
または、どこを改善すれば、成績を上げることができるのか知りたいときは、
積極的に、先生に聞きましょう。
先生には、説明する責任がありますので、きちんと、説明してくれます。
もし、それを怠る先生がいるようでしたら、責任放棄ですから、校長先生にお願いしましょう。
次回は、観点別評価について、考えてみたいと思います。
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