第3回は、観点別評価についてです。
調査書には、学習の記録という形で、評定と同時に、この観点別評価がかかれます。
今回は、この観点別評価がどのようにして、出るのかを解説します。
その方法は、インターネットで検索してみると、見ることができます。
愛媛県の場合は、県の義務教育科のHPなどからも見ることができます。
入試の際に、重要になってくる評定が、この観点別評価をもとに算出されることは、
前回、解説しました。
残念ながら、調査書に書かれる観点別評価は3年のもののみなりますが、
評定が、この観点別評価をもとに算出されるということは、
つまりは、調査書点に直接つながってくるお話なのです。
観点別評価とは
まず、観点別評価とは、通知表に書かれているAとかBとかCとかです。
小さい字で、普通、左側に書かれています。
評定とは、1〜5の数字で書かれています。大きめの字で、普通、右側に書かれています。
成績は、この2つから、成り立っています。
が、評定ばかりに目がいって、この観点別評価を見てなかったりしませんか?
たしかに、観点別評価をもとに、評定を出すので、
評定には、観点別評価の全てが含まれていることになります。
評定が全てを表していると言っても、過言ではありません。
しかし、評定を見ても、次につながらないんです。
評定を見ても、何を頑張れば、何をすれば、3を4に、4を5にできるのか、わかりません。
その手掛かりになるのが、観点別評価になります。
前回解説しましたが、評定を上げるためには、この観点別評価を上げるしかないんです。
まずは、敵を知り、己を知る。これが最も大切です。
観点ってなに?
それでは、まず、観点別評価の観点について、見ていきます。
この観点については、通知表を見るのが一番です。どのように、書かれていますか?
特に決まりがあるわけではなく、細かい言い回しは、学校によって違います。
しかし、その元になるものは存在して、
例えば、文科省のHPにある「指導要録」や、新居浜高専のHPの「調査書の作成要領」などで、
確認することができます。
理数系専門塾なので、数学と理科を取り出してみます。
他教科は、リンク先から自分で確認してください。
|
数学 |
理科 |
観点1 |
数学への関心・意欲・態度 |
自然事象への関心・意欲・態度 |
観点2 |
数学的な見方や考え方 |
理科学的な思考・表現 |
観点3 |
数学的な技能 |
観察・実験の技能 |
観点4 |
数量や図形などについての知識・理解 |
自然事象についての知識・理解 |
数学
観点1 |
数学への関心・意欲・態度 |
観点2 |
数学的な見方や考え方 |
観点3 |
数学的な技能 |
観点4 |
数量や図形などについての知識・理解 |
理科
観点1 |
自然事象への関心・意欲・態度 |
観点2 |
理科学的な思考・表現 |
観点3 |
観察・実験の技能 |
観点4 |
自然事象についての知識・理解 |
あれ?何これ。ほとんど一緒じゃん!!
それぞれの特徴があると言えばあるし、どの教科も似ていると言えば似ているし・・・
と言った感じではないでしょうか?
観点1
どの教科も、観点1は、関心・意欲・態度です。
数学なら数学、理科なら理科という教科に、
・関心を持っているか
・意欲を持っているか
・どういった態度で臨んでいるか
ということを評価します。
意欲があるかどうかや、関心を持っているか、
こんなことは、ペーパーテストでは、評価できません。
テストの点が良ければ、
・関心を持っている?
・意欲がある?
確かに、そうかもしれませんが、
テストの点が悪い人は、関心がない、意欲がないとは、言い切れません。
ですから、この観点だけは、誰でも、Aを取ることができます。
Aを取るためには、意欲があること、関心を持っていることをアピールしましょう。
・授業中に発表をする。
・積極的に質問をする。
・宿題以外の勉強にも取り組む。
こんなことが、アピールになるのではないでしょうか?
しかし、ここで勘違いする人がいます。
良いですか?
・授業中に騒ぐ、話を聞かない。
・宿題をしない、提出物を出さない。
こんな人は、意欲があると言えますか?関心を持っていると言えますか?
たまに、授業中に紙飛行機を飛ばしているくせに、上のようなアピールをしてくる人がいます。
ハッキリ言って、逆効果です。変なアピールはしない方がまだマシです。
授業と宿題が1番大切であることを肝に銘じておきましょう。
観点2〜4
観点2〜4は、テストを中心に評価します。
定期テストはもちろん、単元別テスト、小テスト、実力テストなんかもあるでしょう。
もちろん、テスト以外の提出物や授業での取り組みなども加味されます。
定期テストや単元別テストの端に、
「技能」、「見方・考え方」、「思考・表現」、「知識・理解」という文字を見たことないですか?
あるいは、「思・表」、「知・理」なんて、省略されているかもしれません。
これらの得点が、通知表の観点別評価のもとになります。
学校で購入している、あるいは、市販している問題集にも、書かれていたりします。
観点別評価と評定
新学社のHPにも、書かれていますが、これらの問題の分類を元に、
正答率を出して、評価していくわけです。
ちなみに、愛媛県の義務教育科が出している達成率と、新学社の出している正答率は、
次の表のようになります。
|
愛媛県の達成率 |
新学社の正答率 |
A |
83%以上 |
80%以上 |
B |
50%〜83%未満 |
60%〜80%未満 |
C |
50%未満 |
60%未満 |
また、新学社は、正答率と表現していますが、県の義務教育科は達成度と表現しています。
県の義務教育科のHPを見ればわかるように、
達成度の明確な規定はなく、学校あるいは教員によって違います。
さらに、目標に対しての達成率なので、100点満点のテストでも、目標を50点とすれば、
45点でも、達成率は90%となり、観点別評価には、Aがつくというわけです。
なんとも、あやふやなんですが、そんな感じです。
では、具体的に、タロウ君とハナコさんのテスト結果から、
観点別評価を出してみたいと思います。
わかりやすいように、新学社の正答率を使って、計算してみたいと思います。
1問2点、50問の理科のテストを期末の1回受けたとします。
テスト1回で成績を出すことはほとんど無いですが、サンプルなので。
|
問題数 |
タロウ君
の正答数 |
ハナコさん
の正答数 |
思考・表現 |
5 |
0 |
4 |
技能 |
10 |
5 |
8 |
知識・理解 |
35 |
35 |
28 |
計 |
50 |
40 |
40 |
得点 |
100 |
80 |
80 |
2人とも同じ80点ですが、観点別評価をすると・・・
(意欲・関心・態度は、2人とも同じAにします。)
|
タロウ君
|
ハナコさん
|
正答率 |
評価 |
正答率 |
評価 |
意欲・関心 |
- |
A |
- |
A |
思考・表現 |
0% |
C |
80% |
A |
技能 |
50% |
C |
80% |
A |
知識・理解 |
100% |
A |
80% |
A |
あれれ?ハナコさんの方が、かなり成績が良さそうです。
ちなみに、前回の組み合わせの方法で評定を出すと、タロウ君は3、ハナコさん5になります。
・・・・・
なんとも言えませんが、これが現実です。
バランスよく、得点することが大切です。
現実は、定期テスト1回のみで成績を出すことはありませんので、
ここまで極端なことになることは、滅多にありません。
しかし、理屈としては、ありえるのです。
いかに、観点別評価が大切か理解して頂けたでしょうか?
そして、テストの得点が、成績に反映されていないことに気が付きましたか?
対策
では、対策です。
まず、提出物はきちんと出す。宿題をする。
授業を大切にする。
これが、観点1でAを取る秘訣です。
次に、観点2〜4の対策。
テスト前に、問題集で問題ごとの観点を確認し、弱点を知る。
極端に出来の悪い観点があった場合、対策する。
中間テストで、観点別の得点率のバランスが悪い場合、
期末テストでは、できの悪かった観点の問題の対策をする。
そして、点数だけを見て安心しない。 |
と言ったところでしょうか?
ハッキリ言って、まず、テストの点数で1番の人は、通知表の成績では1番になれません。
理由は、よくわからないのですが、
やはり、何事にも丁寧に取り組まなければ、
通知表の成績にはつながらないと言うことではないでしょうか?
テストの点で1番を取る人は、天才型の人が多いので、要所要所でサボるんですよね。
しかし、気にして欲しいのは、高校に行く書類に、テストの点はありません。
行くのは、通知表の成績を基にした評定だけです。
テストで点を取っても、観点1(関心・意欲・態度)にBやCがついていると、
5はつかないというわけです。
逆に、どんなにテストの点が酷くても、観点1(関心・意欲・態度)にAがつけば、1がつくことはありません。
観点2〜4のうち1つでもBにできれば、3になります。(組み合わせ方式の場合)
1〜2年の観点別評価が調査書に書かれないということもミソです。4は4だし、3は3ということです。
5を取り損ねた4は痛いし、なんとか3にできれば、大きいです。
いずれにせよ、観点別の評価を上げることが、評定、つまりは、調査書点をあげるコツです。
この成績の算出方法は、ザックリとした一例です。学校、教員によって算出方法は違います。
学校には、評定の根拠を説明する責任がるので、
少しでも疑問に思うところがあるとき、
または、どこを改善すれば、成績を上げることができるのか知りたいときは、
積極的に、先生に聞きましょう。
先生には、説明する責任がありますので、きちんと、説明してくれます。
もし、それを怠る先生がいるようでしたら、責任放棄ですから、校長先生にお願いしましょう。
と言うことで、当塾では、観点別評価を視野に入れ、
テストで点を取ることよりも、評定を上げることを中心に取り組みます。
特に、簡単にAを取ることができる観点1(関心・意欲・態度)を中心に取り組みます。
ぜひ、ご検討ください。
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