第19回 太郎と花子の25年

愛媛県の県立高校の理科の入試問題では、
小問集合の大問で、毎年、太郎さんと花子さんが出てきます。
今回は、この太郎さんと花子さんの25年を調べてみました。
まじめな出題傾向はコチラ

手元にあるのは、平成元年以降のものなんですが、
少なくとも、平成2年には、太郎と花子が登場しています。

平成2年に初登場?した太郎と花子ですが、
この時は、2人が他人なのか、知人なのかはわかりません。

このとき、花子は、集団宿泊訓練で自然の家に行っています。
自然の家で、野外観察、天体観測を行っています。
一方で、太郎は、科学クラブで水の電気分解の実験を行ったようです。

太郎は、集団宿泊訓練には行ったかどうかわからないですし、
花子が、科学クラブで水の電気分解を行ったという話もありません。
この年は、完全に別行動です。

平成3年は花子、太郎ともに科学クラブに入会しています。
科学クラブの活動で、花子さんは、天気図の書き方を勉強し、
小川に出かけて、実習を行っています。
太郎さんは、沸点を調べる実験を行っています。

この2人が、同じ科学クラブに入会しているのか、
違う科学クラブに入会しているのか、この時点ではわかりません。
この年も、別行動です。

残念ながら、太郎・花子シリーズは、2年目にして、ここで打ち切りに・・・
しかし、安心してください。2年の時を経て、平成6年にシリーズが復活します。

この年、ついに、太郎と花子に接点が現れます。
2人は、自然科学クラブの活動で、一緒に少年自然の家に出かけています。
平成2年は、集団宿泊訓練だったので、学校行事だと思われますが、
今回は、課外活動として、訪れています。
川で、カヌーを漕いだり、飯ごう炊さんを行っています。
昼はもった天気も、夜は雨が降り、翌日、新聞で天気図を確認したというエピソードも。

平成7年には、太郎と花子は、科学クラブで川原の近くにキャンプに行っています。
キャンプなので、料理をしたり、川で泳いだり、夜には、恒星の観察しています。
実習というより、ただ、遊んでいるだけのような気もしますが・・・
しかし、昨年同様、夜まで天気は持たず、夜、稲妻を見たようです。

平成6年では自然科学クラブだったのが、平成3年、平成7年で科学クラブと表現されているので、
科学クラブの正式名称が自然科学クラブで、科学クラブと呼んでいるというのが、妥当な線でしょう。

平成8年は、太郎と花子は、科学クラブで川の上流へ野外調査に行っています。
川原の砂で砂鉄を集めたり、川の近くの崖でアンモナイトの化石を見つけたり、
充実した野外調査になっているようです。
アンモナイトの化石を見つけられる崖って・・・どんな崖?
また、帰る途中で、植物の観察も行っています。

平成9年には、2人は、科学クラブで近くの川原へ行っています。
予算不足なのか、近場ですませはじめました。
土手でタンポポを観察し、夜には、打ち上げ花火を見ています。
近所の河原に夏祭りの花火を見に行っただけでは・・・・

平成10年は、科学クラブの野外活動でへ行っています。
ここ数年の間では、少し、遠出してます。
海で泳いだり、潮だまりでウニ、カニを見つけたりしたそうです。
うん、遊んでるだけ。

平成11年は、コンピュータを使った実験や調査を行っています。
授業で行ったのか、科学クラブで行ったのかは、わかりません。
平成11年ごろは、インターネットの普及が一般的になったころ。
時代の波にもまれながら、たくましく実験を行っていく太郎と花子に感服です。
ちなみに行った実験は、
花子が温度センサーを利用した水、エタノールとその混合物沸騰の実験と植物の検索、
太郎は音叉の波形をコンピューターに取り込む実験と
インターネットを利用した気象衛星の画像調べです。

平成12年は、文化祭で地球をテーマに発表をしています。
どのように調べたのかはわかりませんが、花子は空気の重さを調べる実験と、
空気の成分である酸素と二酸化炭素について発表しています。
太郎は雲のでき方セキツイ動物の進化について発表しました。
発表の様子は語られていませんが、大成功に終わったことでしょう。

平成13年には、教科書に載っている科学者について調べました。
調べた科学者は、オーム、ドルトン、コペルニクス、メンデルの4人。
ここ数年、アクティブな活動は行っていません。予算不足でしょうか?

そして、4年ぶりに、2人は、校外活動に出かけました。おそらく、科学クラブの活動でしょう。
行先は、学校の近くの山。川や池、草むらで動物を探したり、露頭をみつけたり、
やまびこをして、山小屋でホットケーキをつくりました。
野外観察にでかけたそうですが、山小屋でホットケーキを作っているあたりが、なんとも言えません。
これが平成14年の出来事。

平成15年から、太郎と花子から、太郎さんや花子さんと呼び方が変わります。
時代の流れでしょうか?
この年は、山へ自然観察に出かけてます。
かなり本格的な登山だったらしく、登山道を山頂まで登り、
途中、何度も休憩をしています。
休憩中には、レモンを食べたようです。
山で写真撮影を行っているので、学校の行事ではなく、
プライベートか科学クラブの活動だと考えられます。

2人は、平成16年は、近くの海岸へ野外観察にでかけました。
潮だまりの深さをはかったり、月をみたりしたそうです。
砂浜では、空き缶とハマヒルガオを見つけたみたいです。

平成17年は、池へ自然観察にでかけたています。
今までの野外活動は、夏に行っていたことが多いようですが、
この年は、真冬に出かけています。
その証拠に、池に氷がはっていて、土の中でカエルが冬眠しています。
そして、この年もまた、近くで露頭見つけています。
2人は、露頭探しの名人でです。
帰りは、ゴミを拾いながら帰ったそうです。
社会貢献も忘れません。

平成18年から、また2人の呼び方が変わります。
花子さんが前にきて、「花子さんや太郎さん」と呼ばれるようになります。時代の流れですね。
この年、2人は、サイクリングに出かけています。
目的地は、河原で、途中、丘の上で休憩をしています。
やはり、露頭を見つけ、アンモナイトやビカリアの化石を見つけています。
化石探しのセンスもあるようです。
道中、デジカメで自転車の写真をとったりもしているので、プライベートか、科学クラブの活動のようです。
平成18年ごろは、デジカメが普及してきたころ。
花子さんたちの持ち物にも、時代の流れが反映されています。

しかし、平成19年から、2人は、野外活動を行わなくなってしまいました。
この年、2人は、自由研究で調べたことを発表しただけ。
内容は、太郎さんは水溶液と惑星の観察、花子さんは音叉とヒトの刺激に対する反応です。

平成20年調べ物をしてまとめただけです。
花子さんは、動物の歯のつくりと石灰岩について、太郎さんは水溶液と圧力について調べました。

平成21年からは、まとめることもせず、調べて終わりです。
21年は、花子さんが火山や溶岩と力について、太郎さんが生物どうしのつながりと物体の体積。
22年は、花子さんが日の出と日の入り時刻、腕の動きについて、
太郎さんは滑車を使った仕事、物質の水への溶け方。

平成23年、はじめて、2人の会話が描かれました。
2人が所属するの学校で、冬のある日に記念歩行を行っています。
このときの2人の会話が、描かれています。
長年、科学クラブに所属し、積極的に実験を行っている太郎さんらしくないミスを
花子さんが化学的に指摘する内容です。
今まで、2人は、ずっと違う班だったのか、2人が何かを一緒にするシーンは無かったので、
この2人の会話は、2人が同時に登場する初めてのシーンとなりました。
また、今まで、科学クラブの活動が中心だった2人が、同じ学校に通っていることも確定しました。

その他、花子さんは、オオカナダモの細胞の観察、ろうが状態変化をするときの体積と質量の変化を
太郎さんは、電熱線にかかる電圧と流れる電流、地震の実験・観察も行っています。

平成24年、2人の関係を示す新たな出来事が起こります。
太郎さんと花子さんは、ゼラニウムを使い、プライベートで、光合成の実験を行っています。
2人の関係が、ただの同級生以上の関係である事がわかります。
また、ある日の花子さんのクラスの理科の授業風景も描かれ、
今まで謎だった花子さんたちの日常を知ることができました。
その他、太郎さんは電流のはたらきを調べ、花子さんは乾湿計で湿度をはかっています。
外に出かけることはなかったものの、活発的に活動を行っていることがわかります。

平成25年、なんと!太郎さんは、オーストラリアに旅行に行きました。
これには、驚きました。
行き先がオーストラリアなので、プライベート旅行でしょう。
長年、科学クラブに所属している太郎さんは、オーストラリアでも、
しっかりネタを拾ってきます。素晴らしい。

その他、花子さんは力の実験、オオカナダモの細胞の観察、
太郎さんはエタノールの状態変化の実験も行っています。

平成26年には、太郎さんのクラスの授業風景が描かれました。
どうも、太郎さんと花子さんは、クラスが違うようです
また、花子さんは、ヒトの血液の循環についてまとめたり、LEDと白熱球の効率を調べたり、
太郎さんは惑星について調べてまとめたたりもしています。

平成27年には、太郎さんの部屋にある学習机がイラスト付きで紹介されました。
新たな、プライベートの情報です。
また、昨年に引き続き、太郎さんのクラスの授業風景が描かれています。
やはり、花子さんとは、別のクラスのようです。
その他、花子さんは、メンデルの実験について調べたり、
寒冷前線の通過の様子を気象庁のデータを元にまとめたりしています。
太郎さん 太郎さんの部屋には学習机がある クラスで、溶解度の実験を行った。

ここ数年、2人は、別々の実験や観察を別の機会に行うようになってしまっています。
班は別だったかもしれませんが、野外活動で校外へ出かけ、一緒に活動してきた2人。
一緒に活動しなくなったことが残念で仕方ありません。
しかし、同時に、ここ数年で、新たな日常が描かれ始め、新しい展開を迎えた太郎・花子シリーズ。
今後の展開と、新たな情報に期待したいと思います。

愛媛県立高校の入試問題は、こちらから見ることができます。

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