第42回 2種類の勉強法〜知識と経験〜

学習には、大きく分けて2種類あるという話を第29回でしました。

今回は、この話をもう少し掘り込んでみたいと思います。

まず、2種類のうち1つは、知識を得ること。
そして、もう1つは、その知識を基に考えて利用すること。

中学校の成績表(通知表)には、観点別評価というものがあって、
国語は5つ、それ以外の教科は4つの観点から、評価します。


数学 理科
観点1 数学への関心・意欲・態度 自然事象への関心・意欲・態度
観点2 数学的な見方や考え方 理科学的な思考・表現
観点3 数学的な技能 観察・実験の技能
観点4 数量や図形などについての知識・理解 自然事象についての知識・理解
数学
観点1 数学への関心・意欲・態度
観点2 数学的な見方や考え方
観点3 数学的な技能
観点4 数量や図形などについての知識・理解
理科
観点1 自然事象への関心・意欲・態度
観点2 理科学的な思考・表現
観点3 観察・実験の技能
観点4 自然事象についての知識・理解

このうち1つは、「意欲・関心・態度」なので、
学習という意味では、3つ(国語は4つ)の観点があることになります。

この中の知識・理解の部分が、知識を得る、
思考、技能、考え方が後者の知識を基に考えて利用するに該当します。
このように、評価にも表れています。

評価の項目を見るとわかるように、3つのうち1つが知識2つが利用になります。
どちらを評価するにあたり重要視しているか分かると思います。

勉強をすれば、知識を得ることができますが、利用するには、経験が必要です。

天才は利用方法を思いつく

得た知識を使って、課題解決する。それが基本です。

かしこい人は、問題が起こったとき、じっと考えます。
すると、その解決方法がひらめきます。
しかし、それには、センスが必要です。つまり、才能です。

これはテストでも言えて、かしこい人は、
初めて見る問題でも、考えて、自分で解いてしまいます。
たとえ、そこに知識がなくてもです。

実際、過去の天才たちは、何もないところから数々の法則や公式を発見したのですから、
今を生きている私たちに、0から法則や公式を作れない道理はありません。

つまり、天才は、公式を知らなくても、公式を自ら作って
問題を解決できるということです。

天才は言い過ぎとしても、応用問題に強い人は、
こういうセンスのある人である可能性が高いです。

応用問題に強い人は、初めて見る問題でも、
知識という道具と道具を上手に組み合わせて、問題を解いていきます。
道具の使い方を自分で考えられるのです。

実際、こういう応用力が生きていくには必要です。
自分の持っている道具を、いかに上手に利用していくか。

いつも目の前で起こる問題が、同じではありませんから。

センスは、磨けば良い

こんな話をすると、なんだ、結局、才能か・・・とあきらめたくなるかもしれません。

知識をいかに利用するかを考えることが、評価の「考え方」や「思考」です。
テストでも、考えて解くことを想定しているハズです。

ハズなんですが、そう単純でもないのが、現実です。

よく考えてください。天才なんて、いてもクラスに1人です。
他の人は、あなた同じ凡人です。安心してください。

ようは、センスは磨けば良いのです。

まず、利用方法は、自分で考えるだけが全てでしょうか?

いえいえ、そんなことはありません。

誰かに聞いて、教えてもらうこともできますし、調べることもできます。

そうやって、知ることができれば、次、同じ問題を見たとき、知識として、解くことができます。
これが経験というやつです。

つまり、利用方法を知れば、その利用方法が知識になります。
要は、使い方を考えるのではなく、使い方を覚えてしまおうというわけです。
この問題はこう。この問題はこう。と。ルーティンというやつです。

こうやって、経験を積み、経験を知識として得ていくことによって、
天才たちと同じ土俵で戦うことができるのです。
これが、センスを磨くということです。

なぞなぞが良い例です。
非常に難しいなぞなぞで、みんなが悩んで盛り上がっていても、
「あっ!それ知ってる!!答えは○○!」と言われた瞬間、興ざめです。

これが、人生における問題解決やテストの問題でも言えます。
非常に、難しい問題も、「これ知ってる!」とか、「昨日やったぞ!」となれば、
そう難しい問題ではなくなります。

では、具体的にどうすれば良いか?
わからない問題があったとき、どうしますか?

経験から知識にしなければいけませんので、
必ず、解決しなければいけません。
わからないまま放置しないことです。
どんな形でもよいので、必ず、解決してください。

先生に質問してもいいでしょうし、解答を見たのでもOKです。
とにかく、絶対に納得してください。納得しなければ、意味がありません。
やりっぱなしはダメです。

でも、せっかくなので、効率的に勉強したいですよね?
このとき、1番記憶に残る方法は、しっかり考えたうえで、自分で調べることです。
記憶に残れば、それは、次回から知識になります。

つまり・・・

単純に覚えるという作業と、そして、その知識の使い方を覚える
という2種類の作業が必要になります。

単純な知識は、授業中に覚えるとして、知識の使い方を覚えるには、
問題演習が一番簡単で、近道です。
たくさんの問題を経験し、その経験を知識として蓄える

これが、成績UPの秘訣です。

こちらもチェック


Back    

Home