第12回 年中行事は成績UPへの近道?

もうすぐ、冬至です。冬至には、カボチャを食べて、ゆず湯に入りますが、
今回は、こういった年中行事をこなすことが、成績UPにつながるかも?というお話です。

興味を持つことが大切

授業を理解するためには、内容に興味を持つことが一番の近道です。
では、内容に興味を持つには、どうすれば良いか?

まぁ、基本的には、授業担当の教員の腕の見せどころではあるのですが、
しかし、どんなに工夫した授業でも、子どもたちに常識がなければ、意味をなしません。

日本人としての常識を小中学校の間に、いかに持つかということです。

その日本人共通の常識と、学習内容に関連性があれば、そこを手掛かりに、興味を持つことができるのです。

あるいは、授業中に知っている単語がでてくる。
話を聞いていると、その単語の本当の意味が分かってくる。「へぇ〜」と思う。
こういう体験が、学習内容をより定着させることになります。

常識を持つために

では、この共通した日本人としての常識は、どのようにして持つか?

色々な方法があると思いますが、1つの方法は、年中行事をこなすことです。

日本には、伝統的な年中行事がたくさんあります。
日本の風土や気候に合わせて、昔の人の知恵がつまっています。
行う場所、時期にも、大きな意味があります。

もちろん、クリスマスやハロウィン、バレンタインなんかもイベントとしては魅力的ですが、
こういった輸入したイベントには、行事としての意味づけが、
発祥の地に根差したものになるので、日本では意味づけできないのが、残念です。

理科の教科書にでてくる冬至

さて、今回は、例として中学3年生の理科で習う「地球と宇宙」の単元の話をします。

毎年12月22日ごろ冬至です。
冬至には、冒頭でお話しした通り、カボチャを食べて、ゆず湯に入ります。

この冬至という日は、どのような日かというと、
1年で1番昼の時間が短い日です。
イマイチよくわからない表現ですが、太陽が出ている時間が1番短い日となります。

この言葉、実力テストはもちろん、入試でもよく出ます。

この言葉と意味を知っていて、授業を受けるのと、知らないで受けるのとでは、
理解度に大きな違いが出ることは明らかです。

冬至の特徴としては、
他に、「太陽の南中高度が1年で一番低くなる」、
日の出、日の入りの位置が1年で一番南よりになる」などがあります。

イベントのない夏至

冬至の反対は夏至です。
夏至には特にイベントは行いませんが、昼の時間がもっとも長い日として、話題になります。
6月21日ごろです。

夏至の特徴は、冬至の真逆になります。
太陽の南中高度が1年で一番高く日の出、日の入りの位置が一番北よりになります。

祝日の春分・秋分

他に関係のある日は、春分秋分です。
こちらは、祝日となるので、知っておきたいところ。
しかし、残念ながら、知らない中学生は多いです。

この日は、昼の時間と夜の時間が同じ日です。
春のこの日を春分、秋のこの日を秋分と呼びます。

3月20日ごろと、9月23日ごろです。

この春分と秋分の特徴としては、日の出、日の入りが、真東、真西になるという特徴があります。

春分や秋分にあるイベントは、お彼岸ですね。
実は、このお彼岸は、太陽が真東から昇り、真西に沈むことに宗教的に意味があるそうです。

公立中学校で、ある宗教の話を積極的に行うことはできませんが、
春分、秋分には、こんな意味があるんですね。

春分、秋分の日には、家族でお墓参りに行き、おはぎを食べることは、成績UPにつながるのです。

ちなみに、与謝蕪村が、春分の日に詠んだ
菜の花や 月は東に 日は西に
は有名です。

また、2013年に愛媛県の県立入試に出題された正岡子規
日と月の 睨みあひけり 西東
も愛媛県民としては、押さえておきたいですね。「月」が季語になるので、秋分の作品です。
これらの句は、別の機会に解説したいと思います。

全体的に・・・

さて、各日が、「ごろ」というのは、うるう年などの関係で、年によって1日ずれるからです。
細かいことが覚えられない人は、3、6、9、12月、つまり、3の倍数月の20日ごろと覚えたので、問題ありません。

ここからは、豆知識ですが、春分とは「春を分ける」秋分とは「秋を分ける」と書きます。
つまり、暦の上で、春分と秋分は、春と秋を分ける日となります。

1年は12か月ですから、1つの季節は3か月。
季節の半分は、1か月半となり、春分と秋分の1ヶ月半前には、立春と立秋があります。
毎年、2月4日と8月7日ごろです。
そして、春分と秋分の1か月半後が立夏と立冬になります。
それぞれ、5月5日、11月7日ごろとなります。

この日を境に、季節が変わることになります。

そして、立春、立夏、立秋、立冬の前日を、季節が分かれる日と書いて、節分と呼びます。
そう、節分は年に4回あるのですが、現在、イベントとして残っているのは、立春の節分だけです。
2月の節分では、豆まきを行い、最近では、恵方巻きを食べますね。

実は、立秋も私たちの生活に根差しており、「暑中見舞い」が、立秋を境に「残暑見舞い」に変わります。

まとめ

こんな感じで、年中行事をこなすことが、授業に興味を持つきっかけになるのです。
しかも、この分野は、3年生で、しかも多くの学校で、2学期〜3学期に学習します。

1年の半分以上が終わってから学習しますので、
そこから興味を持ったとしても、入試には間に合いません。
普段の生活が、いかに入試に関わってくるかというお話でした。

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