第20回 ぼんぼりの科学

3月になりました。
以前、年中行事を大切にしましょうという話を書きました。

さて、3月と言えば?

そう、ひな祭りですね。えっ!?ホワイトデー?いえ、今回は、ひな祭りのお話です。

と言いましても、今治界隈では、月遅れでひな祭りを行いますので、少し先取りかもしれません。

教材としてのひな飾り

さて、本題です。
この写真を見て下さい。ひな飾りの写真です。

実は、この中に、重要?な理科の教材が隠れています。

どれかな?どれかな?

そう、答えは、ぼんぼり
「ひなまつり」の歌詞にもありますね。

灯りをつけましょ ぼんぼり
 おはなをあげましょ もものはな

今回は、このぼんぼりのお話です。

意外と身近なエネルギー変換

中学3年の理科の教科書に、エネルギー変換の話がでてきます。

エネルギーとは、他の物体を動かしたり、変形さすことができる能力のことです。

例えば、高いところから物が落ちると、地面がへこみます。
これは、「高いところにあるから地面がへこむ」わけですから、
高いところにあるだけで、エネルギーをもっていると言えるわけです。
これを位置エネルギーと呼びます。

しかも、このエネルギーは保存され、消えてなくなることはありません。
これをエネルギーの保存、または、エネルギー保存の法則と呼びます。

つまり、なくなったように感じるエネルギーも
何らかの形で別のエネルギーとなってどこかに存在するんですね。
このように、エネルギーが別の形に変わることをエネルギーの移り変わりと呼びます。

では、この話と、ぼんぼりがどのように結びつくのか?

ぼんぼりの構造

まずは、ぼんぼりの特徴から。
ぼんぼりに光をともすと、光が動き出します
ひな祭りをしたことなくても、斎場で見たことないですかね?

この動きが、今回のポイントになります。

それでは、ぼんぼりを分解してみましょう。



(1) 外のかさ?の部分をのけます。
  中から、筒が出てきます。

  
(2) さらに、筒をのけます。
 
針金のついた電球が出てきます。

お分かりでしょうか?

光を回すためのモーターが見当たりません。
しかし、よく回ります。謎ですね。

そこで、筒の上部に注目します。

 

なにやら、羽のようなものがたくさんついています。
ここに風を送ると、なんとなく回りそうですね。

回転の謎は、どうもこの羽と風にありそうです。
しかし、風を送る装置も見当たりません。

ところで、電球を光らせると、光が出ますが、同時に、何か起こりませんか?
最近は、LEDが増えたので、経験ないですかね・・・

そうですね。熱くなります。特に、このぼんぼりに使われているタイプの電球は、
非常に熱を持ちやすい特徴があります。
電球が熱くなると、周りの空気が温められ、電球周りの空気が上に移動します。
その時に、上昇気流が発生し、上向きの風が生じます。

この風を筒の羽が受けて、回転する仕組みです。

つまり、電気のエネルギーが、光エネルギーと熱エネルギーに変わり、
熱エネルギーにより運動エネルギーが生じたと言うことです。

電気エネルギー→熱エネルギー→運動エネルギー

最後に

実際、熱がものを動かすという現象は、身近にあまりなく、
熱がエネルギーであるということが、理解しにくいです。
このぼんぼりの例は、貴重な教材のはずなんですが、
一人っ子も多く、ぼんぼりを知らない子どもが多いのが現状です。
ひな祭りをきっかけに、科学に興味をもってもらえたらありがたいです。

ということで、ひな祭りと理科でした。

と言っても、最近のぼんぼりがどのようになっているのか知りません。
おそらく、LEDとモーターで回っているのではないかと思います。残念ですが。

ところで、ひな飾りは、昔の結婚式を再現したもので、下段に飾られている家具等は、嫁入り道具です。
3人官女の立場や5人囃子の意味など、こういった、歴史的背景も話しながら、
飾り付けを行うと、社会や国語の勉強にもなります。

年中行事をこなすということが、成績UPの秘訣であるという話の第2弾でした。

こちらもチェック


Back    

Home