第68回 誰か宿題なくしてくれないかな?

ある塾生のつぶやき
だれか政治家になって、宿題をなくしてくれないかなぁ・・・

さすが6年生、政治家がそういうことを決めれる立場にあることを勉強しています。偉いです。

いやいや、違いますね。本題はそこではありません。
誰もが1度は考える、この発想。
程度の問題はあると思いますが、
多分、あなたも、同じようなことを考えたことがあると思います。
子ども発想だしと思うかもしれませんが、
実は、これに近い発想で、教育が行われた実績があります。

2002年の学習指導要領

それは、平成14年(2002年)施行の学習指導要領です。

「いかに社会が変化しようと,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力」などの「生きる力」の育成を宣言し、生涯学習社会への移行を促して行く。
(Wikipediaより引用)

と記され、学習内容が大幅に削減されゆとり教育が開始されました。
今のアラサーがそれに該当します。

具体的には、たとえば、今は中3で習う「イオン」が該当します。
当然、2002年以前の中学校では、イオンの勉強を行っていました。
しかし、2002年より、削除。
義務教育でイオンの勉強をしなくなりました。

もちろん、高校化学では勉強しますが、自由選択が可能な高校で化学を選択しなかった場合、
イオンを習わずに、学校生活を終えることになってしまいます。

イオンは、普通に、テレビでも見聞きする言葉で、
これについて学習しないことは、致命的であることは想像に難しくありません。

以前、「家庭教師の先生に、『イオンなんて習ってないからわからない』と言われた」
と言っている子がいました。ちょっと笑い話では済まない話ですね。

他にも、小学校では、円周率は3で近似するというのもありましたね。
これも、大きな話題になりました。

勉強好きな子は多いの?

そんな2002年施行の学習指導要領では、
勉強する子は、放っておいても勉強するんだから、
無理に勉強させなくても大丈夫というものでした。

勉強したい子は、どんどん勉強すれば良いし、
したくない子は、そこそこで良いということです。

もちろん、言いたいことは分かるのですが、大多数の子ども達は、勉強が嫌いです。
そんな子どもたちが積極的に勉強するわけもなく、
勉強しないバカが増えていったといわけです。

ただ、この話には、諸説あり、ただのネガティブキャンペーンで、
学力低下は無かったとする学者もいます。
真実は、どうなんでしょうか?

しかし、世間からの大ブーイングにより、
たった1年
で一部改正されるという異例の学習指導要領になりました。
今のところ、後にも先にも、1年で改正された学習指導要領は、これだけです。
それでも、一部改正はされたものの、予定通り10年間、この指導要領は使われました。

気にしないといけないのは、子ども達は、基本、勉強は嫌いです。
反抗期以降の中高生にそれを求めるのは、アリかもしれませんが、
小学生にまでそれを求めるのは、無理があります。

無理矢理にでも、勉強させる義務が、大人にはあるはずです。
それが、憲法に記されている「教育を受けさせる義務」だと思います。
それを半ば放棄した学習指導要領であったので批判の対象になるのは、当たり前だと思います。

だから宿題必要

と言うことで、宿題は、必要です。
やはり、最低限度の知識や技能は必要です。
そのためには、学校だけではなく、家庭での学習も必要不可欠です。
バカを量産しないためにも、大人は、子ども達に勉強をさせる義務があります。

特に、算数(数学)のような積み上げ教科は、どこかでつまづくと、それが致命傷になります。
一度つまづくと、その後の授業が、意味不明になり、それだけで勉強がもっと嫌いになります。
それを避けるためにも、裁定でも、小学校の間は、無理矢理にでも勉強させておく必要があります。

そのためには、宿題は、非常に重要になります。
宿題は、ちゃんとやりましょう。そして、やらせましょう。

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