第73回 調査書点のための技能4教科の勉強法

今回は、調査書点、つまり内申点のための技能4教科の勉強について考えます。
塾だから言える、ちょっと、いえ、かなり過激?なお話です。
賛否あると思いますが、多くの場合は、これが現実です。

調査書点とは

調査書、俗にいう内申書というやつについてです。
愛媛県の調査書については、第1回で詳しく解説しましたので、そちらを見てもらうとして、

簡単におさらいをすると、

  • 調査書点とは、9教科の評定の合計である
  • 評定以外の調査書の内容は、調査書点には加味されない
     →つまり、生徒会をやっても、資格を取っても、大会で優勝しても、調査書点は上がらない
  • 調査書にテストの点や順位は書かれない

となります。

次に、調査書に書かれる評定についておさらいします。
評価については、第2回第3回で詳しく解説しているので、そちらを見てもらうとして、

簡単にまとめると

  • 評価には評定と観点別評価がある
  • 評定は、観点別評価をもとに決まる
  • 評定とは、通知表に書かれている1〜5の数字のこと
  • 観点別評価は、通知表に書かれているA〜Cのアルファベット

と言ったところです。

技能4教科の評価

第2〜3回では、数学と理科の評価について考えたので、
技能4教科がどのように評価されるのかを見ていきます。

まず、技能4教科の評価方法について、確認します。
指導要録に書かれている観点別評価は、次の通り。


音楽への関心・意欲・態度
音楽表現の創意工夫
音楽表現の技能
鑑賞の能力

美術への関心・意欲・態度
発想や構想の能力
創造的な技能
鑑賞の能力



運動や健康・安全への関心・意欲・態度
運動や健康・安全についての思考・判断
運動の技能
運動や健康・安全についての知識・理解




技生活や技術への関心・意欲・態度
術生活を工夫し創造する能力
生活の技能
家生活や技術についての知識・理解

こういった内容について評価されていることが分かります。
気になるのは、美術と音楽には、「知識・理解」の観点が無いことですね。

これを踏まえて、技能4教科の勉強法について考えます。

技能4教科の定期テストの立ち位置

評価する基準が分かったところで、定期テストの技能4教科の定期テストの立ち位置を考えます。

中学校のペーパーテストの1番の目的は、知識を問うことだと考えられます。
なぜなら、持ち込み不可だからです。
知識の量を問うことが目的でなければ、持ち込みを可にしても良いわけです。
しかし、それをしない以上、知識を問う、
あるいは、その知識を基に、なにかをする能力をテストしているわけです。

でも、評価の観点を確認すると、美術、音楽には、この知識の観点が無い・・・

これが何を意味しているのか・・・?

次に、技能4教科の定期テストで、実技の問題がかなりのウェイト占めています。
他にも、音楽や美術のテストでは、観賞の問題があります。

なぜ、このような問題が多く出題されるのか、評価方法を確認すると、納得できますね。

実際、某中学校では、美術のペーパーテストはなく、授業内での実技のみで評価していました。
同じく某中学校では、体育のテストは、なぜか、30分でした。

こんな学校は、人づてに聞いた話を入れても、あの学校しか聞いたことがありませんが、
技能4教科のペーパーテストが、どのような立ち位置であるかを考える上で、
良いサンプルになります。

ここでは、皆まで書きませんが、書かなくても、わかりますね。
技能4教科のペーパーテストの立ち位置はわかりましたでしょうか?

テスト期間の過ごし方

では、具体的にどうするか。

まず、自分の実技が、5段階評価で、どの程度なのか見極めましょう。
見極めれたら、その評価にふさわしい点を取っておけばそれでOKです。
それ以上の点を取っても、ほぼ無意味です。

例えば、自分の実技の評価が3だとすると、テストの点は、50点前後でOKです。
90点取ったからと言って、評定5になることはありません。4にはなるかもしれませんが。

逆に、実技の評価が4だと思うなら、確実に評定を4にするため、4にふさわしい点数、
具体的には、80点前後を狙えるように、勉強しましょう。

ということは、実技が人並みであれば、中途半端に勉強して、中途半端に良い点を取っても、
3の範囲は広いため、あまり意味がありません。

さらに、観点別評価を見るとわかりますが、
多くの観点で、結局、その人のセンスを評価しているんです。
そもそも、見たり、聴いたりした美術作品や、音楽をどのように感じるかなんて、人それぞれです。
その感じ方を評価するなんて、本来、言語道断なわけです。
けれども、それを評価するため、センスをテストで問うのです。

もちろん、センスは磨かなければいけません。
多くの人と価値観を共有できた方が、楽しく過ごせます。

しかし、そんなセンスを、たった1週間のテスト期間で磨くことができるでしょうか?
たぶん、無理でしょう。こういうことは、時間をかけて、じっくりと磨いていくべきです。

担任の先生には、「技能4教科は入試に出ないから、定期テストでしっかり点をとれ」とか、
「技能4教科は点が取りやすいからしっかり勉強しろ」とか、
何かと勉強を進められるかもしれませんが、それは、学校の建前かもしれません。

限られた時間を・・・

入試のことのみを考えた場合、入試での技能4教科のポジションは、調査書点のみです。
この調査書点をを考えた場合、技能4教科は評定で稼ぐことになります。
でも、この評定が、定期テストの点で稼げるかというと、答えはYesとは言い難いです。

となると、限られた時間を何に使うべきかということが見えてくると思います。

技能4教科の勉強は、50点を切らない程度に勉強しておけば、それでOKということになります。
それ以上の高得点を取ることに、意味はあまりありません。

であれば、入試にダイレクトに効いてくる、
5教科の勉強に時間を使ったほうが良いということになります。

と言っても、入試が全てではないですし、調査書のためだけに、学校に行っているわけではないです。
あくまで、今回の話は、入試においての、技能4教科の定期テスト対策になります。

ただし、3年生の場合は、調査書に観点別評価も記載されるため、
保健体育や技術・家庭科の知識理解の観点にAをつけることには、意味があります。
ですから、Aがつくように、勉強しておく価値はあります。

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