前回の夏クールでは、「家売るオンナ」で、
ある出版社で校閲の仕事をしている人がゲスト出演しました。
そして、現在、校閲ガールというドラマが放映されています。
急に、校閲という仕事が注目を浴びていますが、
今回は、校閲について考えてみたいと思います。
校閲って何?
原作本「校閲ガール」
(宮木あや子著)
まずは、校閲とは何か?ですが、
簡単に言うと、間違いをチェックしてくれる人と認識しています。
文章に限った話ではありませんが、何かを書くと、
文法の間違いや誤字・脱字などが必ずあります。
それを、出版前にチェックしてくれる部署を校閲部と言います。
その校閲部を舞台としたドラマが、
「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」です。
視聴率も良く、好調なようです。
ドラマを見て初めて知りましたが、誤字脱字だけでなく、
小説などでは、内容の矛盾の指摘や事実確認などもしているそうです。
実際、ドラマのような校閲をしていると時間がいくらあっても足りませんので、
どのレベルで妥協しているのかわかりませんが、
出版物に誤字脱字、文法の間違いが少ないのは、こういった校閲さんの活躍のおかげです。
初校は間違いだらけ
例えば、S-Labで使っている教育開発出版さんの問題集があります。
塾生向けに販売取次も行っていますので、各問題集のサンプルを頂いています。
ときどき、それを使って塾生が勉強していますが、これが、意外と間違いが多い・・・
それもそのはず、教育開発出版さん曰く、サンプルは、初校で作るそうです。
そのあと、再校をし、三校で出版するそうです。
理由は、とにかく早くサンプルを印刷し、関係各所に配布し、
注文を取る必要があるからだそうです。
サンプルですから、間違いがあっても大きな問題にはならないですし、
まずは、雰囲気を確認してもらうためのサンプルと考えているわけです。
ドラマの劇中でも、校閲さんがチェックを終えたゲラは、付箋と赤ペンでいっぱいです。
本当に、あんなに間違っていたら、大問題だと思いますが・・・
実際、売られている問題集には、時々、間違いはありますが、
その少なさには、驚かされます。
よく、「答が間違っているんじゃないんですか?」と生徒が持ってくることがありますが、
大抵は、生徒の勘違いです。
これも、校閲さんの仕事の賜物であると言えるでしょう。
出版社が責任を持って出版されたものには、あまり表にはでない、こういう裏があるのです。
文章は間違いだらけ
このコラムを含め、インターネットの普及とともに、誰でも情報を発信できるようになりました。
しかし、そこに校閲してくれる人はいません。
もちろん、誤字や脱字が無いよう細心の注意を払って、
何度も読み返していますが、間違いが後を絶たないのは事実です。
S-LabのHPでも、「人工イクラ」がこの間まで「人口イクラ」になっていました。
指摘してくれたのは、中1生の塾生でした。
ドラマの劇中でもありましたが、同じ人間が何度確認しても、限界があります。
思い込みがあるため、何度も読み返しても無駄ということです。
また、インターネットが普及し始めたころによく言われていたのは、
インターネットの情報は信用できないということ。
これは、出版社が出版している本は、
何度も何度もたくさんの人がチェックしたものが出版されます。
著者によるチェックから、担当編集者、そして、校閲さんによるチェックと。
出版社が、自社の看板を背負って、責任を持って出版されたもです。
その辺りが、個人HPやBlogとの大きな違いです。
Blogやコラムは、誤字脱字であふれ、事実確認されていない情報が垂れ流されています。
ドラマの劇中にもありましたが、
インターネットの特に、
個人のHPやBlog情報だけを信じてはいけません。
そして、ブログを本として出版するとき、自分でも気が付かなかった誤字や脱字が
非常に多かったという話が、ドラマ内でもえがかれていました。。
しかし、現在、インターネットは、
なんでも調べることができる魔法の大辞典的なポジションにあります。
もちろん、今は、インターネットの情報は鵜呑みにしてはいけないという常識は浸透したといえますが、
常に、その情報が正しいかどうかを自分で確認しなければいけません。
第三者による校閲が、いかに大事であるか分かると思います。
校閲された文章の有用性
結局、手軽なインターネットの文章は、間違いだらけであると言うことです。
それは、しっかりとした校閲がされていないためで、誤字や脱字だけでなく、
文法や表現にも間違いがあります。
文章読解力をつけるには、きちんと出版社によって責任編集された文章に
触れる必要があるのではないでしょうか。
教員時代、ベネッセの実力テストを購入し利用したことがあります。
普通、不測の事態に避けるために、各クラスに1部以上の予備を入れて納品されてきます。
しかし、ベネッセは1部の予備も入れず、どのクラスもピッタリに納品してきました。
乱丁・落丁も含めての、すごい自信だと職員室で話した記憶があります。
そのようなチェック体制があっての出版物です。
インターネット全盛期の現代において、出版物はその価値を失いかけていますが、
覚悟と責任を持って作られた出版物と、
インターネットの個人のHPやBlogと同じに扱うことはできません。
きちんと出版された本を読みましょう。それが、志望校合格の近道です。
結局、結論は、せめてマンガを読みましょう。
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