第47回 せめてマンガくらい・・・

一昔前は、よく、「マンガばかり読んでないで勉強しなさい」と怒られたものですが、
最近の中学生は、マンガすら読まないようです。

入試問題で点を取るには

当たり前ですが、テストには問題文が書かれています。
この問題文を読んで、問題を解いていきます。


H28理科の入試問題の一部
(文章量が多いことがわかる)

どんなに、数学や理科の勉強をしても、
文章が読めなければ、問題に答えることはできません。

もちろん、各教科の知識やセンスは必要です。
しかし、問題文が読めなければ、テストで点を取ることはできないのです。

ですから、必要最低限の文章読解力が必要になります。
しかし、その文章読解力が、怪しい中学生が多いようです。

そんな中学生を見透かしてか、
近年、入試問題の文章が増加傾向にあるような気がします。
理科に関しては、昨年(H28年度)は、余白がほとんどありませんでした。

実際に文字数を数えてみなければ何とも言えませんが、
余白が減り、文章が増えているような印象を受けます。
これは、どの教科でもあてはまります。

つまり、高校入試において、高校側(正確には県教委)は、
各教科の知識や技能はもちろんですが、
それ以上に最低限の文章読解力を求めていることになります。

本を読んで読解力を

読解力をつける一番の近道は、文章に慣れ親しむことです。
そのためには、本を読むことです。そして、活字に慣れることです。

本を読むことにより、文字が日常的に目に飛び込んできます。
その中には、知らない漢字もあるでしょう、知らない言葉もあるでしょう。

もちろん、そういう時は、辞書で調べるのですが、なかなか辞書に手が届かないのも事実です。

しかし、漢字は表意文字です。
見ただけでなんとなく意味や読み方がわかります。
また、前後の文章から意味や読み方を考察することもできます。

こういうことを続けていくと、読めない漢字やわからない言葉が少しずつ減っていきます。

せめてマンがくらい・・・

昔は、「マンガばかり読んでないで勉強しなさい。」と、怒られたものです。
「マンガばかり読んでいると、バカになる」とも言われたものです。

しかし、現状は、マンガすら読まなくなり、バカになっています。

もちろん、マンガを読むべきだと言っている訳ではありません。
小説やエッセイ、実用本など、世の中には、良い本がたくさんあります。

それらを読んで、読解力をつけるべきです。

しかし、それらの本を読むことはなかなか難しいです。

活字ばかりの本は、なかなかハードルが高いです。
それに加え、小説や実用書の単行本は、2000円近くします。
文庫本でも800円ほどです。

中学生の小遣いで買うには、高すぎます。

しかし、漫画なら1冊500円以下です。
しかも、絵が多く(あたりまえ)非常に読みやすいです。

中学生にもハードルが低くなっています。

まずは、そういう本から少しずつ本に慣れ親しんでいくことです。

マンガでも十分にメリットが

勘違いしてほしくないのは、マンガを読もうと言っているのではなく、
あくまで、マンガくらい読もうと言っています。
それを念頭に置いて読んでください。

さて、マンガを勧める理由は、読みやすさだけではありません。

まず、マンガは当たり前ですが、絵が基本で、
それを文章で補足する作りになっています。

小説を読むとき、挫折してしまう1つの理由は、
文章だけでは何を書いているのかわからないというのがあります。
これは、そのシーンが全くイメージできないというもの。

今、描かれている場所、主人公の姿・表情・・・など。
こういったものが、イメージできず、文章を頭の中で映像化できないのです。

しかし、マンガであれば、その場所、主人公背格好・表情・・・など、
全ての状況が絵として描かれています。
そのイメージの中でのセリフという文章なので、同じ文章でも、理解のしやすさが違います。

そもそも、入試問題レベルであれば、国語以外は、必ず、図が出ます。
数学であれば、「図のような三角形・・・」とか、理科であれば、「図のような実験器具を用い・・・」と。
問題文の書き出しは、ほとんどこのように書かれます。
社会も、図がたくさん出てきます。

つまり、図があることが前提で文章が書かれているため、0から文章をイメージする必要はなく、
図を元に文章を読んでいけば良いようになっています。
0から頭の中にイメージをする必要はありません。
これは、マンガの作りに少しだけ似ています。

そのため、入試問題のために読書をするのであれば、マンガの文章量で十分です。
と言うか、マンガの方が良いのかもしれません。

また、マンガも本です。
教科書と同じ本です。

製本された本に体を慣らすという意味でも、マンガは意味があります。
(何度も書きますが、小説やエッセイで体を慣らした方が良いに決まっています。)

マンガを買いに、本屋に行くことも意味があります。
製本された本を身近に感じることも大事です。

こうやって、本という存在を身近に感じ、抵抗をなくすことは、とても重要です。

教科書も、改定のたびに、色々と工夫しています。
挿絵を増やしたり、写真を増やしたりと、とにかく視覚に訴えるようにしたり、
カラーページを増やし、見やすくしたりと、とにかく、様々な工夫をしています。

しかし、最近の中学生は、本という存在に抵抗があり、教科書を手に取ることすらしません。
たとえ教科書がマンガになっても、手に取らないでしょう。

もちろん全員ではありませんが、これが中学生の現状です。
とにかく、本という存在に抵抗をなくし、
教科書という本への抵抗を軽減することも中学生にとってとても重要です。

このデジタル化が激しい世の中で、本なんて時代遅れだと思うかもしれません。
もちろん、そういう考え方もアリだとは思います。

しかし、良く考えて下さい。教科書も本です。問題集も本です。

問題集はともかくとして、教科書が電子書籍化するなんて話は、まだ出ていません。
端末のインフラも整備されていません。
おそらく、少なくとも、あと10年は、紙の本を使うことになるでしょう。

今、存在している人は、少なからず本を使って勉強することになります。


文章量の多いマンガは読解力UPに適している

のび太以下の中学生

さて、ドラえもんにでてくるのび太君は、
ママに、「マンガばかり読んでいないで勉強しなさい。」と怒られます。

劇中でも、マンガを読んでいるシーンが多いです。

つまり、テストで0点ばかりとるのび太君でさえ、マンガを読んでいるということです。
そのマンガすら読まない中学生は、のび太以下ということになってしまいます。

せめてマンがくらい読んで、最低限の読解力をつけて欲しいものです。

スマホの通信料を毎月5000円以上払うくらいなら、
毎月50冊のマンガをBOOK OFFで買い、読んだ方がよっぽど有意義です。

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