第34回 ブレイクスルーの起こしやすい教科

今回は、ブレイクスルーの起こしやすい教科を考えます。

ブレイクスルーは、頭の整理が終了したとき起こるという話をしました。

つまり、単純に覚えればいい内容では起こりにくいということです。

2種類の問題

知っているか、知らないかをテストする場合は、
道具の整理の必要は少ないので、あまり関係ありません。

ブレイクスルーの起こしやすい教科として有名なのは、英語です。
英語は、数学と同じで、積み上げ型教科としても有名です。

積み上げ教科は、それぞれの単元の関連性が非常に高いのが特徴です。
それが故に、積み上げていかなければいけないわけです。

それに対して、社会や理科を中心とした独立型教科は、
それぞれの単元に関係性があまりないのが特徴になります。

ブレイクスルーを起こすときは、頭の中にある知識の道具箱が、
良い感じに整理できたときであるという話を以前しましたが、
道具箱の整理が完了するという事は、その道具の使い方を把握できたということにもつながります。

例えば、切断する道具とし、ハサミとカッターの使い分けができるようになり、
そして、場合によっては、ノコギリも使えるようになったという事です。

つまり、紙を切るときにはカッター、袋を開けるときにはハサミ、
板を切るときはノコギリと使い分けができるようになり、
紙を切るときも、時にはハサミを、時にはカッターを使い分けることができるようになったという事です。

ブレイクスルーは使い分けがポイント?

単元や学年ごとの関連が強い積み上げ型教科では、道具の使い分けが必要です。

イメージとしては、「A4用紙を二等分しなさい」や「正方形を描きなさい」という問題です。
紙を二等分するとき、カッターを使いますか?それともハサミを使いますか?
そういうイメージになります。

例えば、1次方程式と連立方程式の使い分けがわかりやすいでしょうか?

例題)
1個100円のリンゴと1個50円のミカンを合わせて15個買いました。
その合計金額が1200円のとき、リンゴの個数を求めなさい。

これは、連立方程式でも、1次方程式でもどちらでも解けます。
連立方程式で解くならば、

リンゴの個数をx、ミカンの個数をyとする。

x+y=15
100x+50y=1200

1次方程式で解くならば、リンゴの個数をxとする。

100x+50(15-x)=1200

となります。
どちらでも解けますが、どちらが簡単に解けるかというと、1次方程式です。
計算が1回で済みますから。

しかし、問題が、ミカンの個数も聞いてきたら、微妙になります。

個人の得意・不得意もあるでしょう。
また、問題自身が、連立方程式を使って解きなさいと指定してくる場合もあります。

このように、同じような問題でも、ケースバイケースで解き方が変わります。
もちろん、特に指定がなければ、いつも同じ解き方をしても問題ないのかもしれませんが、
たくさんの選択肢から、適切な方法を選択することができれば、それが1番です。

このたくさんの選択肢の中から、最も適切なものを選ぶという作業が、重要になってきます。

この作業を行うためには、1つは、選択肢(道具)を増やすこと、
そして、もう1つは、しっかり整理して、
適切な選択肢(道具)を選ぶことができるようになることの2つが重要です。

このように、頭の整理が終了し、適切に道具を使い分けられるようになった瞬間が
ブレイクスルーだと考えています。

選択肢を増やす教科とそうでない教科

選択肢を増やして解いていく教科は、主に積み上げ型教科の特徴になります。
一方で、独立型教科は、一問一答形式の問題が多く、道具を使って加工する必要がありません。

イメージとしては、「ハサミはどれですか?」や「ノコギリはどれですか?」という問題です。
知っているか、知らないかの2つに1つです。

こうなると、ブレイクスルーはあまり関係ありません。

理科や社会には、このような一問一答式の問題が多く出題される傾向在ります。
知っていることを淡々と答えていけばいいのです。

一方、数学をはじめとする積み上げ教科は、同じ問題はほとんど出ず、
そのたびに考えて、解く必要があります。

これには、道具の選択と経験が必要になります。

ただね・・・

ただ、独立型教科ではブレイクスルーが起こらないわけではありません。
定期テストでは、確かに起こしにくいですが、実力テストでは、その限りではありません。

理科は、独立型教科の側面と、積み上げ型教科の側面を持っています。
実力テスト、入試レベルになってくると、積み上げ型教科の特性が少し強めに出ます。

具体的には、与えられた情報を基に解く問題です。
実力テストレベルになると、実験結果が問題文で与えられ、
それを基に考える問題が増えてきます。

よく見ると、結局は一問一答形式である場合が多いのですが、
本当に考えなければ解けない問題もありますし、
一問一答形式と判断できず、考えすぎてしまうこともあります。

社会でも、資料を読みとる問題であれば、知ってる知っていないの問題ではないこともあるでしょう。

そういう問題は、知識を経験に基づいて利用する力が問われることになります。

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