第52回 冬至の過ごし方

もうすぐ冬至です。
冬至は、入試にもよく出る重要理科用語であることは、繰り返しお伝えしています。
この冬至を印象付けるためにも、きちんと行事をこなすことが重要です。
今回は、この冬至について、解説します。

理科用語としての冬至

一年の中で昼が一番短く夜が一番長い日
つまり、太陽が顔を出している時間が一番短い日、それが冬至です。

地球は、地軸が太陽の公転面に対して、約23.4°傾いているため、日照時間に差異が生じます。
夏は日が長くなり、冬には、日が短くなることは、経験的に知っていると思います。

冬至は、毎年12月22日ごろとなります。覚えるのが苦手な人は、20日ごろでOK。

逆に、1年で一番日が長い日を夏至と呼びます。

こちらで、S-Labの位置で計算したところ、
2016年の冬至である12月21日の日の出時刻7時9分日の入り時刻17時4分で、
日照時間は9時間55分となるそうです。
一方で、夏至である6月21日の日の出、日の入時刻は、それぞれ4時56分19時24分で、
日照時間は14時間28分です。
つまり、冬至と夏至の日照時間は、4時間33分も違うことになります。

冬寒くて、夏暑い理由がわかる気がします。

冬至にはゆず湯に入ろう

日本には、この冬至に、ゆず湯に入るという風習があります。

理由は、湯治(とうじ)冬至(とうじ)をひっかけた語呂合わせです。

湯治とは、につかって病をすことです。
古くから、温泉のあるところには、大抵、湯治場があり、
病気や怪我を温泉につかって治すために集まった人で賑わっています。
草津温泉などは、観光地としても有名ですが、湯治場としても有名です。

ご近所では、道後温泉でも湯治が行われており、それに対応した施設もあるようです。

マンガやTVで、山奥の秘湯に傷を癒しに行くというシーンを見たことがあるのではないでしょうか?

また、融通(ゆうずう)が利くようにという願いも込められているそうです。
江戸庶民から生まれたとのこと。
昔の人は、面白いことを考えたものです。

さて、「なんだ、語呂合わせか・・・」と思うかもしれませんが、
ゆず湯には、肌を強くし、風邪をひきにくくする効果もあります。

慣れるまでは、ゆず湯に入ると、肌に、ピリピリとしたちょっとした刺激があります。
おそらく、あの刺激が、皮膚を強くするのだと思います。
皮膚が強くなるため、風邪をひきにくくなるというのも聞いたことがあります。

寒さが本格的になる前の12月に、ゆず湯に入り、風邪をひきにくくなりましょう。
特に、受験生にとっては、大事な時期ですので、
ゆず湯につかるというのは、大事なイベントだと思います。
厳しい寒さの中でも健康に暮らせるように、浴槽にゆずを浮かべてみましょう。

そうでなくても、寒い冬です。ゆっくりと湯船につかりたいもの。
その湯船に、浮かんだゆずから、ほのかに香るゆずの香り。
風情があって、それだけでも良いのではないでしょうか?

さて、ゆず湯の入り方ですが、風情を楽しむのならば、
まるごと、数個ほどそのまま湯船に浮かべてください。
ほのかに香るゆずの香り楽しみながら、湯船に浮かぶゆずを楽しみましょう。
後始末も、最後にゆずを取り出すだけです。

皮膚を強くするといった効能を期待すのであれば、ゆずに包丁を入れ、浮かべてください。
有効成分が湯に溶けだしやすくなります。

しかし、同時に果肉や種も湯船に広がってしまいます。後始末が大変です。
そこで、ネットに入れたりガーゼで包み、湯船に入れてください。
ゴミが湯船に広がりにくくなります。
しかし、湯船に浮かぶゆずを楽しむことはできませんので、ご注意ください。

冬至にはかぼちゃを食べよう

この冬至の風習には、「ゆず湯」に入る意外に、
「かぼちゃ」を食べる風習もあります。
「かぼちゃ」は、厄除けになる、病気にならないと言われています。

かぼちゃに魔除けの役割があるというのは、ハロウィンでも言われており、
世界共通の認識なのでしょうか?

また、カボチャを漢字で書くと南瓜(なんきん)となり、「ん」で終わります。

昔は、冬至の日を境に、年を変えていたそうで、冬至の日が1年の終わり、
つまり大晦日だったそうです。
そのため、50音の最後の音である、「ん」で終わるものは、縁起がいいとされていたようです。

なんだ、また語呂合わせかと思うかもしれませんが、
実際にかぼちゃには、カロチンやビタミンが多く含まれています。
冬場、食糧が不足していたころは、風邪予防には、もってこいの食品であったようです。

そもそも、カボチャの旬は、夏です。
そのカボチャを冬に食べるのですから、ちょっと違和感を覚える方もいらっしゃると思います。

カボチャは、長期保存のきく食料として有名です。
冬場、食糧不足になりがちであったころは、夏にとれたカボチャを保存しておき、冬に備えたそうです。

そういった中で、冬至に食べるカボチャは、貴重品であったといえるでしょう。
その貴重品を食べるのですから、大晦日に行う最高の贅沢だったのではないでしょうか。

食糧が不足し、ビタミンなどの供給源が不足した時代は、
かぼちゃは貴重なものだったと考えられます。

飽食時代の今となっては、ただの風習でしかありませんが、
カロチンやビタミンが豊富なカボチャが風邪予防になることは、間違いではありません。
冬が本格化する前の冬至の日に、意識的にカボチャを食べることも、
風邪対策として重要ではないでしょうか?

実は、クリスマスとも関係が深い

冬至にイベントをするかどうかは置いておいて、地軸が傾いているために起こる冬至です。
地球上どこでも起こります。

実際、世界各地で、様々な風習があるそうで、
北欧では、冬至ダンスを踊るという記述も見つけました。

そんな冬至ですが、実は、クリスマスとも関係が深いそうです。

前述した通り、冬至を境に、年を分けていた時代、キリスト生誕の日を決めるとき、
この、年が変わる時期を選んだそうです。
2日ほどずれているのは、当時の観測技術の未熟さが原因なのか、
それとも別の理由があるのかは調べられていません。

しかし、冬至は、調べてみると奥が深く、とても面白い日であるようです。

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