第3回 直流電源装置を自作


実験用電源装置
(購入可)

今回は、直流の電源装置を自作してみました。
直流電源装置は、買うと万単位なので、ちょっと、手が出せません。
理科の自由研究に使えるかわかりませんが、
1度作れば、色々遊べるし、実験もできるので、やってみる価値はあります。

準備しよう!

まず、前提条件として、直流電源を準備します。
これは、壊れた電気機器のACアダプターでOKです。

このアダプターの性能が、これから作る電源装置の性能を左右するので、慎重に選んでください。

お勧めは、今の時代、一家に1台はあるであろう壊れたノートパソコンのアダプターです。
大抵は、10V以上の高出力で、なかなか使える代物です。
無ければ、適当に見繕ってください。ハードオフで数百円で購入することも可能です。


昭和通りにある別子テクノ

電子部品を取り扱っている店は、今治にも無くはないのですが、充実していないので、
新居浜の別子テクノさんに行きました。
ちょっと距離がありますが、イオンから徒歩の距離。

直流電源装置を作りたい旨を説明すると、回路図を書いてくれて、懇切丁寧に教えてくださいました。
ありがとうございました。
さらに、中古の放熱板も頂いてしまいました。本当に、ありがとうございました。

書いていただいた回路図をHP用に書き直したのが、これ。

なんで、この回路図で直流電源装置が作れるのか、サッパリわかりませんが、これで作れるそうです。
とりあえず、3端子レギュレーターという部品が、すごい部品ということみたいです。

とりあえず、この回路通りに組み立てれば、完成ということらしいです。

次に、基本はこの回路でOKなんですが、これでは、電圧も電流も調整できないので、不便です。
そこで、電圧計をつけます。
別子テクノさんでは売っていなかったので、ネットで探しました。

1000円で、電流計と電圧計がセットになっているものが売っていたので、それを購入。

そして、これが材料です。基本部品は、たったこれだけなんですね。

  • 可変抵抗
  • 3端子レギュレーター
  • 抵抗
  • 電圧流計
  • DCジャック
  • 出力端子×2
  • 放熱板
  • つまみ(なくても良い)

それを踏まえて、組立用に作った回路図が、これです。

スイッチもつけてみました。
写真を撮ったときは、スイッチの取り付けを予定していなかったので、スイッチが写っていません。

中学生でもわかるように、イラストを利用しながら、つなぎ方を図にしてみました。

全ての配線を、3端子レギュレーターと可変抵抗に集めました。

作ってみよう!

とりあえず、仮つなぎをしてみます。うまくいきました。

さぁ、組立よう!と言いたいところなんですが、これを組み立てても、
怪しい機材が丸見えで、使い勝手も非常に悪いです。
ケースが欲しいです。
段ボールでOKとかいうサイトもありましたが、ダイソーで良いものを見つけました。


ウッドボックス(商品名)

これを改造します。
まずは、穴あけ。ドリルとカッターナイフですぐできます。
ちょっと底が深かったので、ノコギリで下の部分を切り取っています。

思った以上に傷がついたので、紙やすりで磨いて、ついでに角も落として丸めました。
表面が汚くなったので、これまたダイソーで買ったニスを塗ります。

ニスを乾かすのと同時進行で、回路の作成です。
基盤を使うほどの回路でもないので、そのまま導線でつなぎます。

心臓部は、3端子レギュレーターで、あとは、おまけみたいなもの。
ジャンジャン組み立てていきます。
放熱板に、3端子レギュレーターを取り付けて、熱対策を忘れずに。

裏ぶたをつけるために、その辺にあった板を2枚接着しています。
切り落とした箱の下を使っても良いかもしれません。

背面です。放熱用の穴を空けてみました。

完成です。裏ぶたは、これまたその辺にあったベニア板を使用。ニスは塗っていません。
ダイソーのMDFが良いかもしれません。

問題なく、豆電球を灯すことができました。

見た目も、レトロな感じで、お気に入り。
塾生も、「なんか良いね」と言ってくれました。

注意点

  • 入力の電源よりも、電圧を落とす装置なので、当たり前ですが、使用するACアダプターの電圧より高い電圧は、出力できません。
  • 小さすぎる電圧も作れません。理屈では、0.8くらいまでは下げれるようですが、実測値的には、1.0Vくらいまでしか下がりませんでした。
  • 3端子レギュレーターは、降下させた電圧を熱として放出する装置らしいので、非常に熱を持ちます。短時間しか、使うことができません。

こんな感じで、作れます。

部品紹介

部品は、写真をクリックすると購入できます。
気になる方は、是非、やってみてください。

3端子レギュレーター
装置の心臓部。
LM317T
DCジャック
電圧ごとに規格があります。詳しくはこちら
それぞれ使える電圧の範囲が決まっていて、1〜5まであります。
数字が大きくなるほど、高出力対応。
ノートパソコン用のアダプターだと5になります。
用意したアダプターのプラグの直径と電圧から判断してください。
直接つなぐ場合は不要。
EIAJ5(13.5〜18.0V用)
EIAJ4(10.5〜13.5V用)

EIAJ3(6.3〜10.5V用)
EIAJ2(3.15〜6.3V用)
可変抵抗
RV24YN20SB202
240Ω抵抗
絶縁ターミナル
色々な色がありますが、普通、電源装置は赤と黒。ケチれば、もう少し安いものもあります。
なんでも良いので、適当にやってください。最悪なくても成り立ちます。

電圧流計
テスターや、外部に電圧計・電流計があるならば、無くても可
スイッチ
無くても可。個人的には、押しボタン式が好きですが、トグルスイッチも捨てがたい。
押しボタンスイッチ
トグルスイッチ

つまみ
無くても可。あると見栄えが良い。

導線
ありもので代用可。

放熱板
短時間使用前提なら、なくても可。このサイズでどのくらい使えるのかはわかりません。

ざっくり、3000円ほど(送料別)で作れます。
リンク先よりか、秋月電気さんの方が、安くて良いかも。


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